お目にかかれて

2007年1月21日 読書
不器用な孫のためにこの世に幽霊となって居残り、孫を指導する(主に恋愛問題)じーさま。
じーさまを観ることが出来るのは、血の繋がった孫と彼に憧れる秘書のミルドレッドのみ。
怖がりのミルドレッドだったが、好きな彼のおじーさまは怖くない。(恋は盲目?ちょっと違うか?)
で、
「お目にかかれて光栄ですわ」
となるわけ。

短編集なのでほかにもいろいろ作品が入っているのだけれど、表題の作品が一番面白かったなー。

戦場特派員として留守にした間に彼女に逃げられていた男の話とか、レジスタンスでともに戦った女性に再会したのに気がつかず、道化役を続ける男とか。
逆に、自分は金持ちの男と結婚する気にはなれず(単純に口惜しいから)、かといって破産した男は自分のプライドから金持ちの自分との結婚を望まない(金目当てと思われるから)。
ならば、とわざと親に勘当させて、一文無しの男の下へ転がり込む、意地っ張りな大富豪の後とり娘の話などなど。

ひとくせふたくせある人間の話が非常に面白い。

しかしこの作者は、洋物も和物も、ノスタルジーの香りで溢れているなぁ。

ISBN:4091913326 文庫 波津 彬子 小学館 ¥590

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