表紙絵が綺麗なのに、尽く出ないでやんの…ちっ。

うるわしの英国シリーズ第二段である。(表題には出てないな…)

ヴィルヘルムとコーネリアスさんちのメイドさんたちのお話とか、どうもこのチェシャ猫みたいなヤツがらみの話が一番面白いと思ってしまう…。
お口直しの短編みたいなのばかなんだけどね。

幽霊が猫になって愛する人のもとへ帰って来る話とか、小説家の書くファンタジーの登場人物がそのまま表われて彼を連れ去ってしまいそうになる話とか、よくありそうでちょっとひねって有るのが良い。

でも一番面白かったのは、アメリカの富豪一家が英国貴族の城館を買い取り、幽霊が出ないかとわくわくしながら待っている、という話。

所謂成金で、この時代によくあったように、娘を貧乏貴族に嫁がせて"格"をゲットしようとしているのだけど、ぜんぜん暗さが無いというか厭味が無いというか、可愛らしいと言うか。
自分達が成金だということも素直に認めて、英国の上流階級に馴染まなきゃ!と"素直に"努力する姿が…なんというか。

幽霊に遭遇したメイドを羨ましがり(「ラッキーだわ、あなた」なんていってるし)、家鳴りやラップ音を、湿気と建築法のせい(或いは舘が古いせい)だと即断して反省(
「まあ、私たち、合理的に考えすぎてますわ!」だって。)している。
でもって、そこにもともと住んでいた貴族の本物の幽霊が出現!
悲鳴をあげながら、口元は(幽霊に会えたのが嬉しくて)笑っているようなのが年頃の娘だし。

このドタバタ幽霊譚は、とっても楽しい喜劇だった。


ISBN:4091387829 コミック 波津 彬子 小学館 ¥840

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