英国貴族の田舎のお屋敷を舞台にした推理小説。
しかも殺人事件つき。

これを称して"カントリーハウス・マーダー"もの、と呼ぶ(らしい)

「エッグ・コージイ」の続編。
あの話では、快活な女性・ジェーンが主人公だとてっきり思っていたが、主役は暢気な田舎貴族とそのお屋敷らしい…。

今回は、ハリウッド映画(冒険活劇時代劇もの)の舞台にオールダリー荘を使おう!とプロデュ−サーが思いついたのが運のつき…あ、いや、物語の始まり。

アメリカの(そこそこ)人気俳優(♂)やイタリアの(絶対的でも個性的なので部分的に)大女優(♀)が押し寄せて、バーフォ−ド伯爵夫人を悩ませる。
伯爵夫人は先の殺人事件にショックを受けていて、「一度に沢山の客を呼んだのが原因だ」という自分ありの結論に達していたため、オールダリー荘にたくさんのお客を呼ぶのを嫌がったのである。

とはいえ。
俳優である。
大女優である。
口先うまく丸め込まれ、運命を受け入れざるを得なくなった。

…なのに!またしても殺人事件が!
(気の毒に…)

1970年代のお話、ということで、ハリウッド映画、冒険活劇時代劇、となると話はそこへ行き着く。
すなわち。
エロール・フリン!
その名が出ないはずが無い。(名前だけだが)

そして、作者のお遊びか、タビー・チャリントン、ポンゴ・スミス=スマイズ、バーティ・バシントンという、"名前だけ"の登場人物が…。
いずれも、ウッドハウスの小説のもじりなんである。

そんなところでくすくす笑っている場合では、無いのかもしれないけど。

ISBN:4594052606 文庫 山本 俊子 扶桑社 ¥980

コメント

nophoto
睡蓮
2007年1月1日17:40

お屋敷の持ち主のお気楽な伯爵(だったっけ?)様が、けっこう好きです。
第三作目もあるらしい。
次から次へと殺人事件の起こるお屋敷・・ってホラーっぽいけど、ここは笑えるよね〜

翠雲
翠雲
2007年1月1日18:34

古い家系の伯爵家のくせに、娘の婿には「たまには勤勉な労働者階級の血が入ったほうがいい」なんて言ってますもんね。
変わった伯爵様だわ〜。

nophoto
睡蓮
2007年1月2日14:27

そのうち、ドロシー・セイヤーズのピーター卿も「前だけ」出てきた・・と記憶してます。(^o^)

翠雲
翠雲
2007年1月2日16:20

出てましたよ。
なんでもあり、で笑えますね、この作者は。
どうせならウイムジイの義弟でロンドン警察の警部の彼(実はファンなんである)も出して欲しい……。

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