実は、ちょっと古い小説。
でも、舞台が…昔、中学生時代にすんでいたあたりが出てくるので興味があったのだ。
ずーっと。
興味があったのになかなか買わず、ようやく今頃購入。
でも、友人に後で聞いてみたら「もっていたような…」という答えが。
ああ〜先に聞いてからにすればよかった!と後悔先に立たず、である。

昭和11年。
といえば、戦前。
まださほど、しめつけも酷くはない時期だろうか?(生まれていないのでわからん)
自分の娘を含む女を何人も殺し、その部位をかき集めて"調和の取れた女"を作ろうとしている、異常者の日記から話は始まる。
調和、というのは、すなわち、西洋占星術による調和のことである。
生まれ月、正座、そのほかには、そのときのナンタラ星がドコドコの影響下にあったから、云々カンヌン…。
その性格とか人生まで支配する、という。
娘達の生まれ月と正座で、祝福されている(力の一番強い)体の部位は全部違っている。
違っているので、その強い・完全な・祝福された部位をかき集めようというもの。
つまり、その元となる娘達の命は失われる。
当然のことながら。

たしかに、これだと精神異常だといわれても仕方があるまい。
しかも自分の娘をメインにした人選である。
おかしいと言わざるを得ない。

だけどだけど。
先妻・後妻・先妻の子供・後妻の連れ子・自分の子供…といろいろたくさん入る中で、自分の財産にまでも煩く口を出してくるようでは、家族と言えども…否、家族だからこそ、うっとおしく思えるのか。
思い余って始末してしまおうか、などと考えてしまうのか。

とりあえず。
折角買ったので、読み始め。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
なにやらの日に、なんたらの星が、なになにの影響下に入った(例えば金星に重なったとか)ので、金星の影響力を大いに受ける。
その人生においても。
なんていう考え方=占星術は、じつは古く古代エジプトからある。
「創世の守護神」(グラハム・ハンコック著)
では、スフィンクスは獅子座との関係が深く、獅子座がとある方向に位置する時代(千年期)に、その建造が行われたに違いない、と述べている。
詳細は当該本を読んでもらうのが一番分かり安いが、そう考えてゆくと非常に面白い。
面白い思考法なのだ。
だから、占星術に嵌まる気持ちはわからないでもないよなぁ…と思っちゃうのが要注意(笑)

でも主体はあくまでも自分。
自分のために占いは助言者、サポートとして存在するのであって、占いに主導権を持たせて振り回されるのは愚の骨頂である。

西洋占星術に限らず。
なにごともね。


ISBN:4061833715 文庫 島田 荘司 講談社 ¥750

コメント

nophoto
睡蓮
2006年12月25日22:40

たしか、これは島田荘司さんのデビュー作だったと思います。
バラバラにして組み合わせて・・・って話で。

翠雲
翠雲
2006年12月26日1:06

昭和56年、横溝正史の死と前後してデビュー…だそうですね。今、解説を読みました。
御手洗センセが「ふんっ♪ふふん♪」って感じで石岡君を苛めてます。
でも、石岡君も負けていないぞ!そうか…最初の力関係ってこんな感じだったのね(笑)

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索