ナチス・ドイツが支配するヨーロッパの戦場に、アメリカから慰問にやってきたオーケストラの面々。
彼らは理不尽にも、条約を平気で無視する部隊長・シュライヤー大佐の捕虜となり、その処刑を待つだけの身である。
オーケストラだから、老人も女性もいる。
その彼らに、「ワグナー」の演奏を大佐は命ずるのだが、天才指揮者・クーリッジは頑として首を縦に振らない。
ナチスドイツのためになど、誰が演奏をするものか!
その意気はご立派ではある。
が、彼には眼に入らないのだろうか。
年よりも女性も含めるオーケストラ団員の命が風前のともし火であり、彼の態度如何によってすぐにでも処刑は行われると言うことを。
案の定、団員のなかに亀裂が……。
命つなぎ、あるいは、明後日にはここにたどり着くはずのパルチザンの攻撃に一縷の望みを託し、一人でも多くの命を助ける為、彼らには何ができるのか。
そしてまた、冷酷非情に見える大佐の本心はどこにあるのか?
……慰問は確かに大事でしょう。
朝鮮戦争のときの、マリリン・モンローの慰問がどういうものであったか、そしてそれが前線で戦うアメリカの兵士たちの心にどれだけの影響を与えたか、有名です。
でもな〜。
条約があるから、と、のこのこ戦場に出てゆくのは非常に危険だって事。
条約がどうのこうの、非戦闘員なのにどうのこうの…それは後から幾らでも言いくるめられてしまうだろうし、なにより、失った命は還らない。
イラク戦でも、なんでも…とみに最近の戦争では、(非戦闘員の)危機感の薄れと、(軍隊やテロリストなど、戦う者たちの)区別のなさが相まって、死ななくてもいい人間が、まるで水から死にに行っているような事態を招くことが多くなった。
(人質になったボランティアを責めているのではない、私は、決して。あの時かれらを責め続けていた日本国民の精神の異常さが、私は怖いだけだ。)
アラン・シリトー原作。
とあるので、そのうち原作の方も探してみるか…。
オーケストラつながりで、「オーケストラは語る」という小編(エッセイ風)もとても面白かった。
コンサートマスターと指揮者が喧嘩したらどうなるか……
年末のウイン・フィルのコンサートの楽しさ(皆ニコニコしながら指揮棒を振っている)……
面白いなー。
著者の言うとおり、年末に意味もなく「第九」を演奏して(歌って)皆がハッピーになっているのだから、「お盆にはチャイコフスキーの"悲愴"」、「お彼岸には"ツァラストゥラ"」、「エイプリルフールには"新世界"」を意味もなく演奏するのも楽しいかも…。
同じ本に3編収録されている、(たぶん)初期の頃の作品、アモンという美少年(?)(笑)が主役の一連の話は、あたかも竹宮恵子氏の作品を見るようで物珍しかった。
ISBN:4063604934 文庫 Alan Sillitoe コミックス ¥683
彼らは理不尽にも、条約を平気で無視する部隊長・シュライヤー大佐の捕虜となり、その処刑を待つだけの身である。
オーケストラだから、老人も女性もいる。
その彼らに、「ワグナー」の演奏を大佐は命ずるのだが、天才指揮者・クーリッジは頑として首を縦に振らない。
ナチスドイツのためになど、誰が演奏をするものか!
その意気はご立派ではある。
が、彼には眼に入らないのだろうか。
年よりも女性も含めるオーケストラ団員の命が風前のともし火であり、彼の態度如何によってすぐにでも処刑は行われると言うことを。
案の定、団員のなかに亀裂が……。
命つなぎ、あるいは、明後日にはここにたどり着くはずのパルチザンの攻撃に一縷の望みを託し、一人でも多くの命を助ける為、彼らには何ができるのか。
そしてまた、冷酷非情に見える大佐の本心はどこにあるのか?
……慰問は確かに大事でしょう。
朝鮮戦争のときの、マリリン・モンローの慰問がどういうものであったか、そしてそれが前線で戦うアメリカの兵士たちの心にどれだけの影響を与えたか、有名です。
でもな〜。
条約があるから、と、のこのこ戦場に出てゆくのは非常に危険だって事。
条約がどうのこうの、非戦闘員なのにどうのこうの…それは後から幾らでも言いくるめられてしまうだろうし、なにより、失った命は還らない。
イラク戦でも、なんでも…とみに最近の戦争では、(非戦闘員の)危機感の薄れと、(軍隊やテロリストなど、戦う者たちの)区別のなさが相まって、死ななくてもいい人間が、まるで水から死にに行っているような事態を招くことが多くなった。
(人質になったボランティアを責めているのではない、私は、決して。あの時かれらを責め続けていた日本国民の精神の異常さが、私は怖いだけだ。)
アラン・シリトー原作。
とあるので、そのうち原作の方も探してみるか…。
オーケストラつながりで、「オーケストラは語る」という小編(エッセイ風)もとても面白かった。
コンサートマスターと指揮者が喧嘩したらどうなるか……
年末のウイン・フィルのコンサートの楽しさ(皆ニコニコしながら指揮棒を振っている)……
面白いなー。
著者の言うとおり、年末に意味もなく「第九」を演奏して(歌って)皆がハッピーになっているのだから、「お盆にはチャイコフスキーの"悲愴"」、「お彼岸には"ツァラストゥラ"」、「エイプリルフールには"新世界"」を意味もなく演奏するのも楽しいかも…。
同じ本に3編収録されている、(たぶん)初期の頃の作品、アモンという美少年(?)(笑)が主役の一連の話は、あたかも竹宮恵子氏の作品を見るようで物珍しかった。
ISBN:4063604934 文庫 Alan Sillitoe コミックス ¥683
コメント
誇り高き戦場の、原作は読んでないけど、映画化されたぶんは昔TVで見たことあります。なんちゅーか、私としてもとてもそそられる設定なんですよね。
勿論あんなに若くないです指揮者も将校も。指揮者はなんと、チャールトン・ヘストン!将校はドイツの名優マクシミリアン・シェル、ピアノも実際に結構弾けるらしいです。挑発するようにちょこっとだけ指揮者の前でピアノだかオルガンだか弾いてみせるシーンとかありました。ヘストンはダメだろうね絶対(偏見)
そして当然、やっぱりドイツ軍将校の方が美味しいんですよ…(笑)
原作よりも出会いにくいかもしれませんが、そして、あまり名画扱いはされてなかった気もしますが、もう一度くらいは見てみたい映画です。
私雄見て見たいなぁ…この際チャールトン・ヘストンでも(?)文句はいわないので。
あ、だって、あの人はスペクタクルのイメージなんですよ〜私にとっては。
コロセウムでローマ戦車を転がしているとか、紅海を真っ二つにして見せるとか…そうでなければ、マイケル・ヨーク主演の「三銃士」「四銃士」のリシュリュー枢機卿で緋色の衣の下で、陰謀をめぐらしているとか。
とってもとても、"天才指揮者"のイメージがわきません〜。
ドイツ軍将校は…格好からして違いますもんね。
ヒトラーが徹底して格好よく作らせたあの軍服。すらっとした俳優が着ればやはり「格好いい〜♪」の言葉が口にでちゃいますよねぇ。