このペンギンの散歩を見て、「うっ」と思わない人も少なかろう。

旭山動物園の動物達は、自然で野性で。
だから、いとおしい。

丸くなって眠るユキヒョウ。
伸びをするホッキョクグマ。
なぜか揃って同じ行動をとるペンギン。
イワトビペンギンの後姿…顔からはみ出る白いトレードマーク。
オラウータンの家族の愛情。
顔を洗うアムール虎は猫そのもの…

豊富な写真にきゃ−きゃー喜んでしまうのは、「自然の中に生きる動物は"可愛い"という対象ではない」という坂東副園長さんの意思に反するかもしれないが、こんな写真を見せられれば、ついつい声が漏れてしまう。

『人間は森を捨てたサル』

だから、森を破壊しても心が傷まない。
サルであれば。
森の野生動物であれば、平気であるはずがないのに。

水中を泳ぐペンギンは、アザラシは、時々ちらりとこっちを見て、人間を観察している。

知っている。
大阪の海遊館も巨大水槽とでっかいジンベエザメ(♀)で有名だけど、ペンギンは水中だと、「ペンギンが変わったように」動くし、ぎろりとこちらを睨みつけて過ぎてゆく。
なんどもなんどもそれを繰り返すので、こっちがいたたまれなくなることもある。
水中ではあちらが優位なのだ。

そして、ジンベエザメ。
ガラス越しに手を振っていたら、眼が合った(いや、本当に!)
で、こっちにゆったりとやってくるのだ。
あの巨体で。
勿論ガラスの直前で体をくねらせて方向転換をするのだけど、その眼はじっとこちらを見ている。

知性のある眼。

野性であると言うことは、野蛮であるということとは違う。
野蛮なのは人間のほうだろう。

本当に野性を保護すると言うこと、絶滅危惧種を救うということは、どういうことなのか。
立松さんとの対談を読んで、なるほどと、ちょっと考えが変わったかもしれない。


ISBN:4167713071 文庫 亀畑 清隆 文藝春秋 ¥690

コメント

nophoto
睡蓮
2006年12月12日22:39

怖いんですよね、野生動物というのは。
動物園で見るとどうってことない動物たちが、普通に隣に居ると・・・
人に飼い慣らされた(でも時々暴れる)象が、町中を歩いていたりお寺に居てもふぅ〜んってなもんですが、車で道路を走っている前方を群で横切られると、静かに!って息を止めて死んだふりしてしまいます。遺跡を見物して帰りが夜になってしまい、運転手が野生の象に襲われると必死に車を飛ばしていたら。
動物園の猿山の猿は愛嬌あるけど、留守中に部屋に入ってきてお菓子を食い荒らす猿とか、昼寝していて目が覚めると真上から猿に見下ろされていたりしたら、どんなに驚くことか!慌てて部屋から追い出して廊下に出たら、廊下に一杯の猿がゴミ漁りしていたら、後ろにあるゴミ箱でガサコソと音がするから猫かと振り向いたら猿だったら。
お寺の境内を散歩していたら、植え込みの彼方此方からゴソゴソと何かが植え込みに駆け込む気配がして、何かと思えば植え込みから50cmぐらいの尻尾が出ていたら(持ち主はオオトカゲ)。
大学の芝生を堂々と横切って池に入って泳いでいく小型のワニを目撃したら。
・・・・・(↑は全て実話です)
野生動物が普通に隣にいると普通の人間はドキドキしてしまいます。
野生動物が悪いんじゃなくて、野生を忘れた人間が悪いんですけどね。

翠雲
翠雲
2006年12月13日0:26

殿の東南アジア探検記でも、ワニより虎より象が怖い!と書いてありましたね。
人を家ごと潰すから…。
人間と同じ視点で驚いてくれる犬とか、人間には甘い声で甘えてくれる(加減してくれる)猫とか、それぐらいにしておくべきでしょうね。
間違っても、人間に害をなす生き物は買わないほうがいいと、私は思います。万が一の時、自分の命を張ってでも止めてくれると言うのならまだしも。

ああ〜。上記の事件は断片的に聞いてます。おサルのポテチ事件がよく覚えていますよ。
眼が冷めた時におサルが覗き込んでいたら怖いですね。私は猫でそれをやられましたが、それでもぎゃー!と声を上げて飛び起きました。
予想もしない顔がそこにあると…そうなります(笑)
オオトカゲとかワニとか…爬虫類は苦手なので、パスパス!
私はそんなところでは生きてゆけそうにないです。
…というか、これだけ病院でお世話になっている私ですから、野生状態ならとっくに淘汰されているはずの"劣勢種"ですもん(笑)

nophoto
睡蓮
2006年12月13日23:00

は虫類は私も苦手なんですが・・・足が付いてるのは、まぁまだマシかな。
植え込みに隠れるオオトカゲ君は、本当に「頭隠して・・」を体現してくれて笑えますが。(^^;
隠れてくれるんなら、尻尾まで隠して・・とお願いしたい。
小型のワニはちょっとした川には普通に居ますけど、ご対面するとドキっとします。

ヤモリは大小取り混ぜていろんなのが普通に居ます。
トッケイって極彩色のカラフルで、でっかいヤモリがおりまして、
さすがに重すぎて天井や壁にくっつくことも出来ず、木に登ってたりします。
で、テノールかバスぐらいの低い声で「トッケイ、トッケイ・・」と鳴きます。
とっても不気味です!でもこれが日本のペットショップで売ってるらしい・・

翠雲
翠雲
2006年12月14日0:37

爬虫類……好きな人は好きですよね。
私には理解できないけど、「ほっとけ!」とたぶん言われてしまうのでしょう(笑)
でも、コモドオオトカゲとか、ワシントン条約にあるような爬虫類の密輸も多いですよね。それと、でっかい蛇(勿論外国産)とかワニとかをぽいっとその辺に捨てちゃう飼い主も多い…何を考えているんだ!?と頭の中身を疑いますけど、現実には多い。
イモリはねぇ…まだ大丈夫な部類かな?小さければ、の話ですけど(笑)トカゲの尻尾を押えて、ちぎらせたり…はしてましたね、子供のころは。
隠れてくれるオオトカゲなら大丈夫かも…。
でも蛇はダメ!絶対ダメ!
ワニは純粋に怖い!水に引きずり込んで溺れさせて死肉を喰う、と聞いてますます嫌いになりましたよ。

とりあえず、東南アジアへいったら、むやみにそこいらの壁とか木とかにもたれないほうがよさそう…というのは良く分かりました。

翠雲
翠雲
2006年12月14日0:40

そういえば、おサルも怖いってこと、思い出しました。
大阪の箕面のお山に紅葉狩りに行って、その怖さを痛感しましたよねぇ。
覚えてますか?
狭い山道でおっきなおサルとすれ違った時の恐怖は今でも忘れられないです。(あの時、先頭歩いていたのは、私だったし!)(笑)
人間みたいに何気に歩いてくるおサルだったけど…そのゆっくりした歩みが、まるで<ゴジラ>みたいで、<トンべり>(分かる人には分かる)みたいで怖かった…。

nophoto
睡蓮
2006年12月14日11:40

猿はごく普通に居るんですよ、其処此処に。
まぁそのおかげで、箕面の猿より迫害されているので(^o^)、それなりに謙虚です。
野生の猿を観光客が甘やかして、手におけなくなると怖がってばかり・・じゃ猿になめられますよ。

翠雲
翠雲
2006年12月14日14:19

迫害…ですか?
それはそれで、考えるのが怖いかも(笑)

いや、でもね〜、野性のニホンザルは賢いし、怖いですよ。
ウチの母の実家にも出ます。一度屋根のソーラーシステムでお尻をやけどしてからは、そこには近寄らなくなりましたけど(笑)

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