短編5編を収録した作品で、すべて<信州もの>で統一している。
だから、表紙はりんごなんだね。

列車のミステリは影が薄くなったけど、それでも時々ひょっこりと何気なく顔を出しているのが流石、と思う。

信州は…関西からでもなかなか遠い。
距離ではなく、交通の便でね。
いいところなんだが…。

でも、苦労して時間をかけてゆくからこそ、値打ちもあるし「ああ、きたなぁ〜」と感慨深くもなるというもの。

最近の世の中の傾向もあるのか、西村氏が描く犯罪(犯人)の質も様変わりしてきた。
金が目当てなのに金に糸目をつけない犯行(保険金や遺産をあてにして?)
20代のみそらで何千万を稼ぐ女子学生やOL(………)

絶句しちゃういますね(笑)
ほんまにいるのか?そんなんと思いますが。

むか〜しむかし。
不倫ドラマがはやって世の上司たちが妙な期待の目で部下の女子社員を見つめていたころの話である。
一人暮らしのOL(一般事務職)で、勿論20歳前半で、都心で(環状線内で)豪華マンションにすんでいる女性が被害者…というサスペンスドラマが多かったのだ。
それを聞くたび「そんなOLいるか!」と思ったものである。(おじさんである上司もそういっていた)
そりゃ、OLじゃなくて、副業もっているとしか考えられないんだけど、ドラマ上は真面目で一所懸命な働き者で、純然たる被害者の設定なわけだ。
ますます、
「そんなOLいるかっ!」
(というか)
「そんな会社があるかっ!」

現実と随分とかけ離れたものを"夢"として作るのがドラマでも、これはあまりい酷すぎない?
それともここまで媚ないと視聴率が稼げないのだろうか?

小説ではここまで読者にこびなくてもよかろうから、まだ安心して読めるというものだが…。

だから、妙な設定をして読者に笑われないように、小説家こそ、社会勉強が必要なんだろうね。

ISBN:4575511056 文庫 西村 京太郎 双葉社 ¥680

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