影のオンブリア

2006年11月25日 読書
友人からの頂き物…なので、この人の作品は初めて読む。
ファンタジーとあるが、最初は幻想小説かい?と…思うぐらい、慣れてないので、世界観がつかめなくて困った。

そも、ファンタジーとしては古典的で、受動的であるらしい(解説より)
今のファンタジーは、少年少女が元気でてきぱき、はじけるように跳ね回っている…とのこと。
フム。
私かに、私の知っているファンタジーもどっちかといえばそっちだねぇ。

王宮が、石の王宮が歴史とともに地下に沈む。
王宮が沈むとともに国の歴史も失われて行く。(意識の外に流れてゆく消えてゆく)

地下を徘徊する幽霊達。
黒い影。
囁き声。
………
おどろおどろしいイメージ。
これって、こういうのって、ファンタジーの分野だったのか?日本だったら怪奇小説の分類では?と驚きつつ先に進む私。

人の心に巣食う闇。
理屈ではない、人の心の動き。

そして結末。

なかなかに新鮮で驚きの一遍であった。
だれが生きていて死んでいて幽霊であるのか、さっぱり分からなかったけどね。

なんとも不思議なストーリー。
そしてこの表紙絵は、国際結婚した日本人女性によるものだそうだ。
まるでイタリア絵画のようで豪勢ですばらしい。

ISBN:4150203822 文庫 井辻 朱美 早川書房 ¥798

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