街の灯

2006年11月25日 読書
100年前の(作者、好きですな、これ…)、東京。
ええとこのおじょーさま・花村英子は、ある日、父親からとんでもないことを言い渡される。

これからおまえの送り迎えは(つまり車の運転手は)別口みつ子なる女性があたる、と。

家族の貴族の士族出身の、そして「ごきげんよう」だの言っている時代に女性運転手〜?!

ハイカラなんだか、平等主義者なのか、わけのわからんおとーさまの言い分。
大丈夫なの?
うち、わけの分からない社会運動家に狙われたりしてますけどぉ〜とおじょーさまはおもいつつ、でも「おもしろそう」
そして、家長の命令は聞かねばならぬ。

次々興る奇怪奇怪な事件を、英子おじょーさまと、やっぱりタダモノではなかった女性運転手兼用心棒兼ワトソン君であるみつ子(通称:ベッキーさん)が糸を手繰る。

必ずしもおじょーさまがホームズではない。
必ずしもみつ子がワトスンではない。
常に立ち居地を変えながら互いに智恵を振絞って力を惜しむことなく解決へとひた走る。

華やかなりし帝都の繁栄と、おじょーさまが絶滅危惧種ではなかった時代の、宝塚(っぽい)ミステリー(笑)


ISBN:4167586045 文庫 北村 薫 文藝春秋 ¥500

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