古びた感じの黄色い紙に内容はといえば、ヘンリー8世御世の話。
でも最近出たばかり…の相変わらずのハヤカワ・ミステリ。
病院にもっていって読まずにもって帰りましたがな。
今日からぼつぼつ…読めるかな?面白かったら気分爽快、清涼飲料水の役目を果してくれること間違いなし!(笑)
なかなかの出来でありました。
七面倒くさい説明もほどほど、リアル過ぎて嫌悪感を催させる細密描写もなく、とてもとても……「修道士アセルスタンの告白」を書いたのと同一人物とは思えない!!(汚い・汚すぎるロンドンの描写に気分が悪くなる!)
…と、いうわけで、別人(ポール・ドハティ)名で、
エドワード?時代(13世紀):ヒュー・コーベット・シリーズ
14世紀:アセルスタン修道士シリーズ
マイクル・クラインズ名で、
16世紀:ロジャー・シャロット・シリーズ
アン・ダクタス名で、
ニコラス・セガラ・シリーズ
ほかにカンタベり巡礼シリーズや英国以外の歴史モノとしては、
マケドニアのアレクサンダー大王もの、古代エジプトのハトシェプスト女王を主人公にしたもの
……などなど、わくわくするような歴史フィクションをたくさん書いている作家さんだということが判明した。
惜しむらくはそのほとんどが翻訳されていない様子だってことだ!
頼むから!
ハヤカワ!
翻訳を進めておくれ!
おっと。
内容はといえば、ばら戦争で英国の王冠を手中にしたランカスター家のヘンリー…の息子、映画でおなじみ「ヘンリー8世と6人の妻」のヘンリー8世の時代である。
しかも、まだ最初の奥方、ポルトガルのキャサリン王妃健在のころだから、まだまだぴちぴちやる気満々の王様時代である。
ヘンリー8世の姉・マーガレット・チューダーは、夫(スコットランド)と弟(イングランド)の戦の直後、ごたごたを起こして嫁入り先のスコットランドから実家に避難中。
しかも、夫であるスコットランド王は戦死。
跡継ぎたる二人の幼子(一人は病死)はスコットランドに遺したまま、という有様である。
彼女とその側近は、ロンドン塔に仮の宿を取っている……。(不吉な…)
そのカリスマ満点の王様の元、警戒厳重なロンドン塔で起こった密室殺人事件!
謎の死を遂げた死体のそばには、ヨークの白薔薇が…!
その解決を押し付けられたのが、シリーズの主人公たるシャロットくん。
その主人であり幼馴染であり命の恩人であるベンジャミン。
この二人である。
ベンジャミンは、時の権力者トマス・ウルジー枢機卿の"愛する甥っ子"であり、嫌でもなんでも権謀術策の暗雲に掠るだけでも、関わらずにはいられないという、かわいそうな複雑な立場にいる。
従って、主人公・ロジャー・シャロットも命を脅かす"いと尊き御方々"と袖擦りあわずにはいられないのであった。
自身の意思に添わずとも…。
完全密室殺人は続く。
マーガレット王妃の行く先々で。
彼女の周りの人間が。
これはリチャード3世の呪いなのか?
あるはヨーク家の復興を願うものの仕業なのか?
随所に散りばめられた薔薇と白猪(リチャード3世の紋章)の意味は?
そして、歴史的真実の隙間を縫って推測が飛ぶ。
…とっても楽しい推論が構築される。
歴史好きには、たまらない〜♪記述が続く小説である。
…ちょっとジョセフィン・ティの「時の娘」を思い出すけど、リチャード3世は出てこない。残念。
ああ、それにしても、この時代の"メアリ"という名前の、王族のあるいは王族に近い女達。
天中殺みたいな名前だわ…。
よくまあこれだけ"メアリ"をそろえたな…と思うぐらい。
不吉な名前。
まあね。
メアリに限らずとも、アン・ブリーンは「生来の魔女」だし、メアリ・ブリーン(アンの姉)は「イングランドの牝馬」、マーガレット・チューダー(ヘンリー8世の姉・スコットランド王妃)は「ペチコートをはいた疫病神」でメアリ・チューダー(ヘンリー8世とキャサリンの娘・エリザベスの義姉)は「血まみれメアリ」とすさまじいけど……。
この作者。
どこまで本気だろう…?
ISBN:4150017859 単行本 和爾 桃子 早川書房 ¥1,365
でも最近出たばかり…の相変わらずのハヤカワ・ミステリ。
病院にもっていって読まずにもって帰りましたがな。
今日からぼつぼつ…読めるかな?面白かったら気分爽快、清涼飲料水の役目を果してくれること間違いなし!(笑)
なかなかの出来でありました。
七面倒くさい説明もほどほど、リアル過ぎて嫌悪感を催させる細密描写もなく、とてもとても……「修道士アセルスタンの告白」を書いたのと同一人物とは思えない!!(汚い・汚すぎるロンドンの描写に気分が悪くなる!)
…と、いうわけで、別人(ポール・ドハティ)名で、
エドワード?時代(13世紀):ヒュー・コーベット・シリーズ
14世紀:アセルスタン修道士シリーズ
マイクル・クラインズ名で、
16世紀:ロジャー・シャロット・シリーズ
アン・ダクタス名で、
ニコラス・セガラ・シリーズ
ほかにカンタベり巡礼シリーズや英国以外の歴史モノとしては、
マケドニアのアレクサンダー大王もの、古代エジプトのハトシェプスト女王を主人公にしたもの
……などなど、わくわくするような歴史フィクションをたくさん書いている作家さんだということが判明した。
惜しむらくはそのほとんどが翻訳されていない様子だってことだ!
頼むから!
ハヤカワ!
翻訳を進めておくれ!
おっと。
内容はといえば、ばら戦争で英国の王冠を手中にしたランカスター家のヘンリー…の息子、映画でおなじみ「ヘンリー8世と6人の妻」のヘンリー8世の時代である。
しかも、まだ最初の奥方、ポルトガルのキャサリン王妃健在のころだから、まだまだぴちぴちやる気満々の王様時代である。
ヘンリー8世の姉・マーガレット・チューダーは、夫(スコットランド)と弟(イングランド)の戦の直後、ごたごたを起こして嫁入り先のスコットランドから実家に避難中。
しかも、夫であるスコットランド王は戦死。
跡継ぎたる二人の幼子(一人は病死)はスコットランドに遺したまま、という有様である。
彼女とその側近は、ロンドン塔に仮の宿を取っている……。(不吉な…)
そのカリスマ満点の王様の元、警戒厳重なロンドン塔で起こった密室殺人事件!
謎の死を遂げた死体のそばには、ヨークの白薔薇が…!
その解決を押し付けられたのが、シリーズの主人公たるシャロットくん。
その主人であり幼馴染であり命の恩人であるベンジャミン。
この二人である。
ベンジャミンは、時の権力者トマス・ウルジー枢機卿の"愛する甥っ子"であり、嫌でもなんでも権謀術策の暗雲に掠るだけでも、関わらずにはいられないという、かわいそうな複雑な立場にいる。
従って、主人公・ロジャー・シャロットも命を脅かす"いと尊き御方々"と袖擦りあわずにはいられないのであった。
自身の意思に添わずとも…。
完全密室殺人は続く。
マーガレット王妃の行く先々で。
彼女の周りの人間が。
これはリチャード3世の呪いなのか?
あるはヨーク家の復興を願うものの仕業なのか?
随所に散りばめられた薔薇と白猪(リチャード3世の紋章)の意味は?
そして、歴史的真実の隙間を縫って推測が飛ぶ。
…とっても楽しい推論が構築される。
歴史好きには、たまらない〜♪記述が続く小説である。
…ちょっとジョセフィン・ティの「時の娘」を思い出すけど、リチャード3世は出てこない。残念。
ああ、それにしても、この時代の"メアリ"という名前の、王族のあるいは王族に近い女達。
天中殺みたいな名前だわ…。
よくまあこれだけ"メアリ"をそろえたな…と思うぐらい。
不吉な名前。
まあね。
メアリに限らずとも、アン・ブリーンは「生来の魔女」だし、メアリ・ブリーン(アンの姉)は「イングランドの牝馬」、マーガレット・チューダー(ヘンリー8世の姉・スコットランド王妃)は「ペチコートをはいた疫病神」でメアリ・チューダー(ヘンリー8世とキャサリンの娘・エリザベスの義姉)は「血まみれメアリ」とすさまじいけど……。
この作者。
どこまで本気だろう…?
ISBN:4150017859 単行本 和爾 桃子 早川書房 ¥1,365
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