チキタ★GUGU (6)

2006年10月22日 読書
シリーズ最新刊。

あやかし・化け物。
呼び名はどっちもいいけど、パワーアップしてるなぁ。
さりげに…ではなく、見るなり怖い。
無茶苦茶怖い。

真っ黒なあやかし・オルグが妙に可愛らしいそぶりを見せる。
形態は小動物だもんね、そうなるのも仕方がない…というか作者の計算か?
"見える姿"ひとつひとつ、ちゃちな小道具ひとつひとつに大きな意味があったりして、油断ならない作家さんだからさ(笑)
すべてが伏線に見える。

チキタの存在がラー・ラム・デラルにとって、ちょっと変化してきたのかも?と思わせるラストだった。
この場合…どうするの?
"不味い"チキタを100年養育して、そして"美味しい"人間にするのが、"人喰い妖怪"であるラーの宿願のはず。
なのになのに…?
なんか、予定が狂ってきたよね?

人間のちっぽけな思いやりとか、同情とか、良かれと思ってしたことがとことん逆に利用されている、そのシリアスな悲惨さ。
救いがないけど、復活の強さはある。
でもなー、この作者の場合、徹底的に叩きのめすから。
人間の良心とか、ほわほわあったかいものを。
中途半端に漂っている海月みたいなものは認めないから。
ものすごくしんどい。

でもそういうものをまるきり否定しているわけではないから、どん底から這い上がる強さを感じることができる。
しんどいけど。

踏まれても踏まれても、復活する強さ。
哀しみは、忘れてしまうわけではないけれど、乗り越えてゆける強さ。
そういうものがある。

どうせ、人間。
不完全な人間のやることだもんね。
たかが知れてるって?(笑)


ISBN:4257905670 コミック TONO 朝日ソノラマ ¥800

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索