ラブパック (1)

2006年10月21日 読書
最近、文庫版の再販本がたくさん出てきている、と思う。
それもいろんな種類の漫画が続々と…その勢いを感じる。
なんだろ?
フェアでもやっているのかな?

ま、昔の漫画、絶版で入手不可能な漫画が再販されて、しかもサイズも可愛らしい文庫本なら言うことなし!

さて。
この「ラブパック」
本屋の本棚で見つけて思わず手に取ってしまった。
なつかし〜!

源氏物語をパロディにしたラブロマンスなんだけど、ギャグ漫画でもある。
とにかく…懐かしい!

大和和紀氏といえば、「あさきゆめみし」とか、日本の時代物の、やたらシリアスな、やたら悲劇的な漫画のイメージがあるのだけど、本当はコメディ漫画家だった、ということを思い出させる一品である。

おや、「はいからさん」「NY小町」「ヨコハマ物語」ほかいろいろと文庫本で再販が進んでいるんだね。
ことのついでに、「紀元2600年のプレイボール」(野球ものだ)も再販やってくれないかなー?
始末したのを後悔している作品なので。

さてこのラブパックとは、いかなる物語か。
その題名とはかけ離れ、源氏物語をベースにして、作者流に大きく話を作り替えた作品なのだ。

源氏の出生等についてはほぼそのまま。
宮中に入ったものの、貴族の豪奢な生活の影に、苦しみあえぐ民数の姿を見、なんという世の中の不公平さ・酷さを思い…悶々と悩み続けている源氏の君。
そうこうするうちに、夜になれば無意識・無自覚のまま"夜盗・疾風(かぜ)"に変身してしまい、貴族の館に忍び込んではお宝を強奪、貧しい庶民にばら撒くようになっていた。
だが、夜が明ければ、源氏の君に戻ってしまえば、彼には"疾風"の記憶はない。

ヒロインである菜々との関係は、まだ罪なき幼き頃に"運命の人"として出会ってしまったのが運のつき。
彼の(とはいえまだ子供だ)の言葉(勉強なんかやめて、私のお嫁になって)を一途に護り、その結果、貴族の娘とはとてもとても思えない、がさつでどじな姫君に育ってしまった。
その結果、玉の輿の第一歩である宮中女官にもなれず、源氏の君に拾われて彼の世話係を拝命することとなる。

さあ、本当は"運命の人"であるはずの二人なのだが。
どっちも気付かない、どん臭さ。

桐壺の更衣の怨霊が出てきてようやく、菜々は源氏の君がかの人であると気が付いたが、その時はすでに疾風が彼女の心を占めていた。
疾風=源氏の君(本人はまだ知らないけど)
という事実を知らない菜々は、一人で悩み苦しむのだった。

平安の、宮中であるとか貴族の舘であるとか。
その割りに、着物や調度品やしきたりやなんやかや…本人も認めているように、全力尽くして考証をしたけどかなりいい加減であるとのこと。
まぁギャグだしね。
その辺を追求するのは、野暮ってもんでしょ(笑)

ISBN:4063604306 文庫 大和 和紀 コミックス ¥662

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