たった一度の人生だから
2006年10月19日 読書
母親の本棚から失敬してくる。
星野富弘氏。
60歳。
日野原重明氏。
94歳。
20代で、事故で、首から下が麻痺をした星野さんは、詩を書く。
絵を描く。
心を描き出す。
その詩と絵が、とっても素敵。
お二人の対談と、星野さんへのインタビューで本は綴られている。
薄い、一冊の本。
それは熱い心で、世界の誰かと貴方を結んでいる。
ゆっくりと。
しんみりと。
沁みてくる。
さまざまことば。
志。
思い。
想い。
本当に。
たった一度だけの、今だけの、人生だから。
喜びを。
楽しみを。
無駄にしないで。
自分の人生も。
あなたの周りの人の人生も。
ISBN:4264024684 単行本 星野 富弘 いのちのことば社 ¥1,260
星野富弘氏。
60歳。
日野原重明氏。
94歳。
20代で、事故で、首から下が麻痺をした星野さんは、詩を書く。
絵を描く。
心を描き出す。
その詩と絵が、とっても素敵。
お二人の対談と、星野さんへのインタビューで本は綴られている。
薄い、一冊の本。
それは熱い心で、世界の誰かと貴方を結んでいる。
医学の実力は勉強によって獲得することができるけれども、病人学というものは自分が病気にならないと決して分からない。病気は理解できても、病む患者の心は理解できない。だから、自分の苦しかった経験は、決してむだではなかったと。(日野原氏)
私は、医者やナースになる人は、少なくとも死なない程度の病気になったほうがいいと思う。(日野原氏)
たとえば、長い間点滴をやっていて、お医者さんから「きょうで終わりだよ」と言われて、「もう少しだ、もう少しだ」と一滴一滴数えながら見ていて、たらたらっと点滴の最後の一滴がたれていって、最後にピッと止まった時、「わーっ、終わった!」と、もうほんとうにうれしかった。体の状態は何も変わってはいないのですが、そんなこともありました。このとき、人間というのはどんな時でも喜べるんだなぁ、幸せを感じられるんだなぁと気がついたんです。ああ、こんなに小さなことにも喜べるんだったら、私は、体は動かないけれども何か自分で楽しく生活できることも出てくるんじゃないかと、そんなふうに思いました。(星野氏)
健康な人は、健康の喜びや幸福感をあまり知らないんです。健康でない者からみたらうらやましいことですが、当人はあたりまえだと思っている。いざ病気になると、「ああ、健康って大切だな」と初めて感じる。そうして少しづつ回復し、化学療法をやめましょう、リハビリを始めましょうというふうになっていくと、「ああ、よかった」としみじみ思うんです。そこで初めて、心の喜びを感じる。心が健康になるんですね。(日野原氏)
人間は、体の具合が悪いと、心も不健康になります。けれども、病気が回復に向かって、七割八割と治ってゆくにしたがって感性が高くなってきます。だから、あまりに元気な人は、感性がちょっとねぇ……(会場笑)人は病むことや悩むことによって感性が磨かれていきますから、病気の回復期は皆さん、ほんとうに幸せな感じを持ちます。(日野原氏)
そして、それまで自分の中にあった、人と比べて生きるという姿勢がなくなりました。人をうらやんで、人が幸せになると自分は不幸になり、人が不幸になると自分が幸せになる。日常生活は何も変わっていないのに、常に自分が幸せになったり不幸になったりする。それを、毎日のようにくり返している。そういう世界から抜け出せた気がします。そして、自分が神さまにゆるされているのだから、自分も人をゆるすべきだと。これは少し努力が必要だったのですが、長い間聖書を読んでいるうちに、そういう考えが、少しは自然に持てるようになったんです。そして、人をゆるせた時に、いちばん平安を得るのは自分自身なんだということにも気づきました。(星野氏)
ゆっくりと。
しんみりと。
沁みてくる。
さまざまことば。
たった一度しかない自分の人生ですから、社会がどうあろうと、人が何を言おうと、そんなことにひるむことなく、大切な自分の人生を、志を持って進んでいけたらいいと思います。(星野氏)
志。
思い。
想い。
本当に。
たった一度だけの、今だけの、人生だから。
喜びを。
楽しみを。
無駄にしないで。
自分の人生も。
あなたの周りの人の人生も。
ISBN:4264024684 単行本 星野 富弘 いのちのことば社 ¥1,260
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