身内よりのレンタル〜。
でも貸してくれた妹が「よくわからん」とクビを捻りつつ貸してくれた作品である。

おい…(笑)

英国はお貴族様が謳歌しておった時代の話。
謳歌…とはいえ、没落する者は没落し、富めるものはより富めて、公爵令嬢が伯爵のおめかけさんになってたりする時代…らしい。

公爵令嬢である母が、愛人である伯爵家で死亡。
伯爵(=父)のたっての希望で呼び寄せられた二人の兄弟、ライナスとロレンス。
母の実家の公爵家はすっかり落ちぶれ果ててそのくせ矜持だけは高いという、困ったじーさん(祖父・公爵)が取り仕切っている。
おなか一杯食事もできないこの地から、追い払われるようにして兄弟は旅立つのである。

だが、行ってみればロウランド伯爵家にはごろごろと…腹違いの兄達がいた。
おまけに近在の村にはもうひとりのおめかけさんと二人の息子が。

どーなんってるんだ、伯爵さま?
といわんばかりの設定である。

伯爵は幼い頃に両親を失い姉とともに生きてきたから「家族は多いほどいい」というモットーの方である。
おまけにお金には困ってないので、何人子供がいようがびくともしない。
そして読む限りは(いまのところは優しくて子供が好きで)人がいい…のかな?とも思える性格なのだが、なんか違うだろ?それ。
と思うところがしばしば。

引き取られた兄弟の、兄・ライナスは、この伯爵家で墜落死(事故)した母親の事件が、実は殺人事件であったと【何故か】思い込んでいて、ヒステリーとも思える暴力を振り回し、使用人たちに嫌われ腹違いの兄弟どころか血を分けた弟までに当り散らして捜査(?)をすすめる(笑)のであった。

…この兄・ライナスの性格がね…。
なんか、情緒不安定というか、あやふやなんだな。なんか。
いくらあのじじい(公爵)に育てられたからといって…違う、それは違うぞ、という感じで。

筋が通っていない。
妾となった母を憎んでいるのかと思えばそうでもなく、自分の母を日陰の存在にした伯爵を憎んでいるのかといえばそうでもなく、幸せそうに暮らす正妻の子供たちを憎んでいるのかといえばそうでもなく。
近在に母親と一緒にくらす(やっぱり妾腹の)兄弟を憎んでいるのかといえばそうでもなく。
憎んでいるように見えるが憎んでいるのではない。
なんか…誰でも見境なく八つ当たりしているだけ。
そこでそう激昂する理由はなんなの?
と私は首を捻ってしまう。
年のせいか…?
例えば、それが弟のロレンス(小学校上がる前ぐらい?)の年なら分かるけど…パブリックスクールにいけるぐらいの年齢に見えるし。
それでこれでは幼いというか。
「子供だから」の範囲を逸脱している反応を示すのである。
心理学的には面白いのかも。

話はミステリーなんだろう、きっと。
母親の死因を探っていくうちに、周辺の人間の本性がちらほらと覗いてきたから。
だけど、それが重みを増す、というのではない展開。
お貴族さまのクレイジーな生活と、そのとっぴさと華やかさと非現実感。
最後のほうは、お貴族さまならではの自分勝手な問題処理法がしっかり出てくるが、いかに貴族謳歌時代とはいえ、犯罪は犯罪だ。
…と、アガサおばさんは言ってなかったかい?

主人公が、某漫画のチビ・兄にそっくり…というか。
見た目が似ているせいか、あの、すぐ激情する性格がそのまま映されている感じでもある。
チビ兄のほうは、それでも考えていないようで考えているのが良く分かるんだけど…。
今時の流行りかしらん?と思ったりして(失礼)

1巻を読んだだけではよく理解できまへん。
この先続刊を、妹が購入するかどうかそれに掛かっているわけだが…う〜ん、望み薄いかな〜(笑)

ちなみに1巻の表紙は主人公とメイドである。
ああでも、メイドはほとんど活躍せず。
関係なし。
関係なくはないけど…八つ当たりされ。苛められ、最後は…という消耗品扱いなので昨今流行のメイド漫画、というのでもない。

あ〜やっぱり、ようわからんわ〜。

ISBN:4344803167 コミック 船戸 明里 幻冬舎 ¥788

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