いらかの波 (5)

2006年9月25日 読書
最終巻。

自分の事しか考えられなかった主人公・渡も、いまでは"思いやり"をもつようになった……ようだ。
しかし、いくつになってもどたばたと…落ち着きのない少年である。
昔のガキ大将、ってやつね、

今時こんな子、いるだろうか?
いたら面白いのに〜というか、将来が楽しみなのに〜と思う今日この頃。

自分が学生で、クラスのなかにこんなのがいたらいやでいやでしょうがなかったのに、年をとると(視点を変えると)こういう生徒は実に面白い、と思う。
あのとき担任の教師もそう思っていたのかな?とふと思ったりして。

高校の同窓会なんてもうン十年もないから、皆がどうなったやら…分からないのがやっぱり寂しいね。

この漫画が描かれた頃は、子供の数も多く ⇒ したがって受験戦争真っ盛り ⇒ "豊かなニッポン"というわけで、高学歴賛美の真っ只中。
だから、主人公の父(養父)が「大学まで言って欲しい!」と力説する言葉が素直に読者の心に入った時代だった。
だが今は?
大工などという、まさに手に職の代表格みたいな職業、親は小躍りして喜ぶんじゃないかな?
それとも、現場よりも設計技師とか現場監督みたいな、大学出の資格・管理職のほうがいいのだろうか?

私の叔父は自分の子供4人(つまり私のいとこ達)全員を、美容師を始めとする"手に職"の技術職に育て上げた人である。
「喰いっぱぐれないように」
が口癖の人だったからな……。

お見事!
(ま、本人も足場からの転落事故で辞めるまでは大工だったし)

ISBN:4086176378 文庫 河 あきら 集英社 2000/12 ¥680

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