いらかの波 (1)

2006年9月25日 読書
いらか〜のな〜み〜と
く〜も〜の〜な〜み〜

甍とは、屋根瓦のこと。
単体ではなく、"屋根"としてあるそれのこと。

友人からレンタルできた宝箱の中に、こんな懐かしい本が!
…というわけで、1977年に週間マーガレットで連載が始まった(40ヶ月続いた)作品だ。
青春時代だなぁ〜。

そもこの作者・河あきらという人は、とんでもなくくら〜い社会派の漫画と底抜けに明るいギャグ漫画と、その両極端がある漫画家だったので、とっても新鮮だった。
つまりワンパターンの少女漫画ではない。
画風もスケッチ調というか、翳が気になるというか…変わった画風で当時の少女漫画とは一線を画していた。
だから、好き・嫌いがはっきりしていた漫画家だった。
そのなかで、いらかの波はよく受けたと思う。
好き嫌いの両極端に分かれなかったと思う。
人気作品だったというけど(出版社からのご褒美でUSA旅行だって!すごいね!)確かに頷ける。

その前の社会派作品で有名なのが、「ふるさとの歌はきこえない」。
この作品は、どう考えても北朝鮮と思われる社会主国から逃亡した工作員の青年が主人公である。
彼は、実は日本人の亡き母親の、"故郷へ帰りたい"という言葉から日本に住む祖父をたずねるため命の危険を冒して逃亡したのである。
彼を追うのは、嘗ての同僚であり腕利きの工作員。
日本にたどり着いた彼はやがてひとりの少女と出会い、母の故郷へとたどり着くのだが…。
というわけで、涙なくしては読めないというか、なんとうゆー悲惨な運命がこの世にはあるんだろうかとか、いたいけな少女達の心を痛めたものであった。
これなどはとんでもない悲劇作品で、奥の人の涙を誘ったものだったから、その後発表されたこの「いらか…」とのギャップは凄かった。
ほんま、同じ作者かいな…と。



ISBN:4086176335 文庫 河 あきら 集英社 2000/10 ¥680

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