藤森さんの俄かファンになったので、文庫本でお手軽(であるのに)+写真は一杯ということで、購入。

建築の謎(?)を求めて長崎は大浦天主堂から上海へ。
大浦天主堂といえば、日本人としてはどうしても原爆との係わり合いで思い出さずには居られない教会だろう。
高校の修学旅行で一度、長崎で[旅博覧会]が行われた時にもう一度、計2回、私は彼の地を尋ねている。
とても瀟洒な教会堂だったと…記憶しているのだが。

大浦天主堂のあの姿は、一度建て直し(修復)されて"見れる形"になって入るが、明治の建造写真を見るととっても奇妙キテレツなんだそうだ。

ゴシックとそのカタキであるルネッサンスが同居している…のだと。
おまけになまこ塀だし……(笑)
なまこ塀って、石川県の金沢市(のど真ん中?)にあるお城で有名な、あのなまこ塀だよ。
教会の前面に…。
に、似合わん。

その原型が上海にあるであろう(教会の日本進出の前は中国に在ったはず!)推理のもとに、同じ笑える洋式の教会を探す…探す…。
それが、
聖ヨセフ教会。
そして聖ザビエル教会。

教会と言うのは大きな道路に面して建てて、どこからでも目立つようにしとくもんなのだそうだ。
ところが、文化大革命のため、中国の(現存する)教会は、お堂の正面に壁とかビルとか建てて、目晦ましとしている。
つまり、道を歩いていてもそこに教会があると知っていなければまったく分からずに通り過ぎてしまうということだ。

なんというか…いかにも中国だね。
今となっては、学校施設に一部転化されていたりして。
どのように隠そうとしても、歴史ははっきりと物語っているのだよ。

カラー写真が撮っても綺麗なので、それだけ見ていても楽しい。
たとえ"建築オタク"でなかったとしても…!(笑)

おまけに、同時進行で読んでいる「テンプル騎士団とフリーメーソン云々…」ではロスリン教会の記述が出てきているので、教会建築関連で楽しめる。

ISBN:4022611804 文庫 増田 彰久 朝日新聞社 1997/03 ¥840

コメント

nophoto
睡蓮
2006年8月27日1:25

この藤森さんって、赤瀬川原平、南伸坊とともに路上観察なんかやってた人ですね。
著作は沢山あるので、全部は見てませんが、「トマソン」と名付けられた路上に残る無用の長物を集めた本がいっとき流行してました。今でもやってるのかな?

翠雲
翠雲
2006年8月27日15:32

"建築探偵"ですからね。
東京のお風呂屋さん(銭湯)に、上記メンバー+杉浦日向子さんも加えてわざわざ入りに行ったという話もありましたね。
この方、学者さんだけど口調がとっても面白い♪

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