香乱記〈4〉

2006年8月16日 読書
時代は、歴史は無情である。
非情である。
特にその終わりを知っている私達にとっては。

最終巻ともなれば、次第に気持ちが…"歴史"を意識し始める。
仕方がない。

秦は終わり、項羽は敗死、漢王朝が起こる。

だがしかし。
ここまで漢王朝の創始者とその周辺の連中を冷酷に描いた小説はなかったように思う。

「史記」をみよ。
或いは、歴史書が書くところを冷静に見よ。

韓信なんかひどい書かれ様だし(笑)
知性の星・張良もひどいものだ。

…だけど、反感は湧かない。
なるほどな、と読み手を納得させる文章だからだ。

この人の言葉は懐が深くて、そのくせ虚がないから。

ISBN:410144434X 文庫 宮城谷 昌光 新潮社 2006/04 ¥540

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