香乱記〈1〉

2006年8月16日 読書
新聞連載をまとめた本がようやく文庫本へ。
この辞典でようやく入手…というのも、友人が、ありがたくも新聞の切抜きをすべてスクラップして貸してくれたからである。
つまり既読の小説を文庫でまとめて読むだけなのだ。

嗚呼。
ありがたきは、友人。
得がたしは、友人。

時代は秦朝。
始皇帝が恐怖政治を行っていたあの時代…の終わり掛け。

もとは斉国とよばれ、太公望が開いた国での話である。
もともと王として(とは言え、彼らだって簒奪したんだけど)収めていた国の片隅で、豪族(というより豪農か?)として生き残っていた田氏一族。
その、3人の男たちのなかのひとり、田横の物語である。

時代が時代だしー日本の戦国時代と同じで同属とは言え油断が出来ない時代なのに、この3人の兄弟と従兄弟はなんと仲がよいことか。
互いの為に命を惜しまない、という働きをする。

宮城谷氏の美しい日本語は彼等の言動をまた美しく飾る。

秦が滅び漢が怒るまでのわずかな間、夜空の星のように煌いた人たちが翔け・奔り・活躍する。
さすが!

の物語である。

ISBN:4101444315 文庫 宮城谷 昌光 新潮社 2006/03 ¥500

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