今からおおよそ百年前。
20世紀の始め頃。
パリの街・人を撮った写真家・アジェ。

両親を早くに亡くし、祖父母に育てられ、決して恵まれた人生でもなく、裕福なとんとん拍子に生活の糧を得られたわけでもない、たくさんの夢破れた後に行き着いた写真の世界。

パリの街は、流石に、被写体としてはたくさんのものをもっていただのだろう。

「少し前までは真っ黒だった」
ノートルダムだとか、美術館だとか。
誰にも気を使う事もなく、"真っ黒だった"といわれるパリが顔を見せている。

確かに、パリの建物は面白い。
ドアにつけられた彫刻も、壁の模様も。
私が面白いと思ってひたすら見続けたのは、マンション(高層建物)のベランダの彫刻や形。
それぞれに趣向をこらして、異なっているのに煩くない。
違うのに、まとまっている。
それがとっても面白かった。
素敵だと思った。

わざわざ芸術作品とやらを見に出かけなくとも、そこいらじゅうに面白いものが散在している。
それがパリでもある。

道の両側の、屹立するかのようなマンションの壁。
でも何故かそれが圧迫感を与えないのだ。
なぜか。

……何故だろうね(笑)

口惜しいけど、魅力がありすぎる。
それがパリだ。

ISBN:4887830602 単行本 アンドレアス クラーゼ タッシェンジャパン 2002/09 ¥1,050

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