ああ〜随分とほったらかしにしてました。
一冊読了しているというのにまだ書いてなかったのね…。
再録本…らしいんだが、文庫の方が読みやすい上に、ちゃんと著者のイラストも入っているので満足の一冊だ。
この人の文章も別にこれといった特徴はないけど、しっかり読ませて分かりやすくて中にのめりこむ文章だ、と、いつも思う。
江戸時代といえば鎖国で爛熟でもの知らずでがっちり身分制の百種オといえば食うや食わずの生活で武士階級に酷い目に合わされていて…とあれこれ妄想していたのだが。
どうやらそれは違うらしい。
確かに鎖国はしていたけど、
なんと、江戸の庶民は「地球が丸いってことを知っていた」んだと!
これって凄くないですか〜?
でもって、講という相互扶助というか互助制度がとっても発達していたので、お金をためて旅行(伊勢参り、富士登山、などなど…)も結構していた。
街道が整備されて宿場も整備されて、女性でも安心して泊まれる宿もちゃんとあったから、女性の旅も安心だった。
いや、ゴマの蠅(スリとか泥棒のことね)も居たし、途中で急病になって行き倒れるってことも無きにしも非ずだけど、同時代の欧米を考えれば遥かに安全な旅ができたし、旅をする習慣もあったよと、それは本当に凄いことだと思う。
江戸に限って話がされるのは、田舎の農家とかはやはり情報・文化の伝播と言う意味ではちょっと不利だったからだろうね。
年をとることはえらいこと(そんだけ智恵があるし。生経験がある。そのことだけで)敬われて、ほったらかしにしているなんて考えられないのが町内だったし長屋だったんだとさ。
ほったらかされている年寄りとか弱者(病人)がいたら「おまえんとこの長屋(町内)は…」ってバカにされるらしいし、それがとっても屈辱だったそうだ。
……なんか…すっごくいい社会じゃないの?
モノがないし、便利じゃないし、食べるものも粗食かもしれないけど。
北欧の福祉国家も真っ青の福祉社会だねぇ。
それも国がじゃなくて、個々人がやっている。
不便はなれるし、外国の料理はなくてもへんな添加物も放射性物質もなしの天然素材で最高の"おかず"だったろう。
これなら変な病気にもならないだろうな…。
士農工商も、実生活においてはあまり関係なかったようだ。
すきもののサークルとなれば、武士から町人から長屋住まいから…たくさん集まってきてそこでは身分の上下はなかったらしい。
まぁサークルだしね。
江戸時代が、暗黒時代みたいに印象付けられたのは何故だろう?とここでふと思う。
滅私奉公とかきな臭いなんだか近寄りがたい思想ってたいてい明治に入ってからなんだよね〜。
で、明治より前はダメな時代だったかのように言うのも。
これもひとつの思想統制だよね。
すべての時代が ALL or NOTHING ってこともないだろう。
いいところ悪いところ全部なけりゃ人間は生きられないだろう。
陰陽思想じゃないけど。
最高に印象的だったのは、江戸の町はやはり(?)女性不足。
(開拓時代のアメリカの西部あたりは納得できるけど、何でだろうね?)
だから、女性は離婚しても、次から次へと引く手数多。
お触れでも
「女性はなるべくたくさん結婚するように」
というのが出ていたという……。
ある意味すごい世界だ。
三行半は、旦那が嫁に叩きつけて追い出すのではなく、嫁がいつで出ていけるように、むしりとったもんらしい…結婚の条件に先に三行半を書かせていたり…。(いつでも旦那を捨てられるように)
だから。
江戸の旦那たちは、子守も家事もせっせと喜んでやっていたしそれが普通だったそうです。
…いい時代だよ、やっぱり!
PS.
しょうもない事物を「くだらぬもの」という。
江戸時代、上方(京・大坂)から「下ってくるもの」を珍重したから、その反対語ってことで、
京・大坂ものではないもの・下ってこないもの⇒下らぬもの
という言葉がそのまま生きているのだそうだ。
面白いねぇ。
ISBN:4101149208 文庫 杉浦 日向子 新潮社 2006/06 ¥500
一冊読了しているというのにまだ書いてなかったのね…。
再録本…らしいんだが、文庫の方が読みやすい上に、ちゃんと著者のイラストも入っているので満足の一冊だ。
この人の文章も別にこれといった特徴はないけど、しっかり読ませて分かりやすくて中にのめりこむ文章だ、と、いつも思う。
江戸時代といえば鎖国で爛熟でもの知らずでがっちり身分制の百種オといえば食うや食わずの生活で武士階級に酷い目に合わされていて…とあれこれ妄想していたのだが。
どうやらそれは違うらしい。
確かに鎖国はしていたけど、
なんと、江戸の庶民は「地球が丸いってことを知っていた」んだと!
これって凄くないですか〜?
でもって、講という相互扶助というか互助制度がとっても発達していたので、お金をためて旅行(伊勢参り、富士登山、などなど…)も結構していた。
街道が整備されて宿場も整備されて、女性でも安心して泊まれる宿もちゃんとあったから、女性の旅も安心だった。
いや、ゴマの蠅(スリとか泥棒のことね)も居たし、途中で急病になって行き倒れるってことも無きにしも非ずだけど、同時代の欧米を考えれば遥かに安全な旅ができたし、旅をする習慣もあったよと、それは本当に凄いことだと思う。
江戸に限って話がされるのは、田舎の農家とかはやはり情報・文化の伝播と言う意味ではちょっと不利だったからだろうね。
年をとることはえらいこと(そんだけ智恵があるし。生経験がある。そのことだけで)敬われて、ほったらかしにしているなんて考えられないのが町内だったし長屋だったんだとさ。
ほったらかされている年寄りとか弱者(病人)がいたら「おまえんとこの長屋(町内)は…」ってバカにされるらしいし、それがとっても屈辱だったそうだ。
……なんか…すっごくいい社会じゃないの?
モノがないし、便利じゃないし、食べるものも粗食かもしれないけど。
北欧の福祉国家も真っ青の福祉社会だねぇ。
それも国がじゃなくて、個々人がやっている。
不便はなれるし、外国の料理はなくてもへんな添加物も放射性物質もなしの天然素材で最高の"おかず"だったろう。
これなら変な病気にもならないだろうな…。
士農工商も、実生活においてはあまり関係なかったようだ。
すきもののサークルとなれば、武士から町人から長屋住まいから…たくさん集まってきてそこでは身分の上下はなかったらしい。
まぁサークルだしね。
江戸時代が、暗黒時代みたいに印象付けられたのは何故だろう?とここでふと思う。
滅私奉公とかきな臭いなんだか近寄りがたい思想ってたいてい明治に入ってからなんだよね〜。
で、明治より前はダメな時代だったかのように言うのも。
これもひとつの思想統制だよね。
すべての時代が ALL or NOTHING ってこともないだろう。
いいところ悪いところ全部なけりゃ人間は生きられないだろう。
陰陽思想じゃないけど。
最高に印象的だったのは、江戸の町はやはり(?)女性不足。
(開拓時代のアメリカの西部あたりは納得できるけど、何でだろうね?)
だから、女性は離婚しても、次から次へと引く手数多。
お触れでも
「女性はなるべくたくさん結婚するように」
というのが出ていたという……。
ある意味すごい世界だ。
三行半は、旦那が嫁に叩きつけて追い出すのではなく、嫁がいつで出ていけるように、むしりとったもんらしい…結婚の条件に先に三行半を書かせていたり…。(いつでも旦那を捨てられるように)
だから。
江戸の旦那たちは、子守も家事もせっせと喜んでやっていたしそれが普通だったそうです。
…いい時代だよ、やっぱり!
PS.
しょうもない事物を「くだらぬもの」という。
江戸時代、上方(京・大坂)から「下ってくるもの」を珍重したから、その反対語ってことで、
京・大坂ものではないもの・下ってこないもの⇒下らぬもの
という言葉がそのまま生きているのだそうだ。
面白いねぇ。
ISBN:4101149208 文庫 杉浦 日向子 新潮社 2006/06 ¥500
コメント
はじめまして。コメントをありがとうございます。
江戸時代は幕末以外は平安で退屈で…と思ってましたが、トンデモナイ面白い時代であるということが、杉浦氏の本やテレビ番組で分かってきました。
去年の夏でしたか…早すぎる一生でしたね。
新しい町を作る!というのでまず最初に男たちが…ああ、では、西部開拓史とまったく同じですね。
インデアンの代わりに狐狸が出るぐらいでしょうか。
女性もてもて…ある意味羨ましいかも〜と思います。