他人を見下す若者たち
2006年6月29日 読書
読み始めたのは、もうかれこれ5日も6日も前の話なのだが。
すっきりすっかり書き忘れ〜というか書いているひまがなかったので追記的に。
もっと現代批判文句箇条書き的みたいな、簡単な読み物かと思っていたが、なんのなんの精神構造・意識変革等々、ちゃんと分析していた本。
著者には失礼致しました……。
単に「キレ易い」という言葉だけでは理解も納得も出来ない現代日本の若者…だけではなく、(今、切れるのは若い人だけじゃないから)、日本人全体に言えることも含む、分析本。
成る程納得…って部分は多い。
けれども、結局「ガマン」「思いやり」という日本人の徳性をどんどん捨てていっているってことだろう。
若い者は素からない。
古いものは嘗てもっていたものを人によっては惜しげもなく、人によってはおずおずと…捨てている。
【水は低きに流れえるもの】を地で行っているような気がするな。
欧米化(中でもアメリカ化)することがそんなにえらくて素晴らしくていいことだろうかと、個人的には思うが。
また、自分に自信がもてないから、周りを見下すことによって相対的に自分の位置を高めようとする、というのが今の若者に多い自己中心的・他人軽視の病状だという。(だけど自分が"高くなった気がする"だけで、実際には己も低きにいるのだが)
分析の中で分かりやすいのは、スヌーピーと言う漫画に出てくる、チャーリーとルーシー。
前者は、「自己批判型」で他人の失敗をも自分が悪いとする。
後者は、「自己中心型」で自分の失敗をも他人のせいにして、常に自分で自分を誉め讃え暗示をかけて"高み"に位置しようと必死である。
本書で若者を中心に蔓延している"現代日本病"のように語られているのは、まごうことなくルーシー型のほうだ。
ではなぜそんな人間を、日本は作り出し、作り続けているのか…というところまで、本書は言及している。
学校体制がそんなことになっていたとは…!と少々どころか、かなりの驚きを覚えた私であった。
今の企業が向かっている先にある「弱肉強食」の世界。
それは「正しく強いものが勝つ」のではない。
「ずるかろうが卑しかろうが卑怯であろうがなんであろうが」
「勝てばよい」の世界である。
「勝ち組・負け組み」という言葉をもてやすこの今の日本社会だが、その言葉の裏にあるものを、どれだけの深みが暗い闇が潜んでいるかを見抜く…までもなく、考えた人がちょとでも居るのだろうか。
日本の未来は……どんどん暗みに向かっているよな、って気がする。
私らは兎も角(何だかんだ言って、いい時代を経験もしているし)、子供たちは可哀想だ。
ISBN:4061498274 新書 速水 敏彦 講談社 2006/02 ¥756
すっきりすっかり書き忘れ〜というか書いているひまがなかったので追記的に。
もっと現代批判文句箇条書き的みたいな、簡単な読み物かと思っていたが、なんのなんの精神構造・意識変革等々、ちゃんと分析していた本。
著者には失礼致しました……。
単に「キレ易い」という言葉だけでは理解も納得も出来ない現代日本の若者…だけではなく、(今、切れるのは若い人だけじゃないから)、日本人全体に言えることも含む、分析本。
成る程納得…って部分は多い。
けれども、結局「ガマン」「思いやり」という日本人の徳性をどんどん捨てていっているってことだろう。
若い者は素からない。
古いものは嘗てもっていたものを人によっては惜しげもなく、人によってはおずおずと…捨てている。
【水は低きに流れえるもの】を地で行っているような気がするな。
欧米化(中でもアメリカ化)することがそんなにえらくて素晴らしくていいことだろうかと、個人的には思うが。
また、自分に自信がもてないから、周りを見下すことによって相対的に自分の位置を高めようとする、というのが今の若者に多い自己中心的・他人軽視の病状だという。(だけど自分が"高くなった気がする"だけで、実際には己も低きにいるのだが)
分析の中で分かりやすいのは、スヌーピーと言う漫画に出てくる、チャーリーとルーシー。
前者は、「自己批判型」で他人の失敗をも自分が悪いとする。
後者は、「自己中心型」で自分の失敗をも他人のせいにして、常に自分で自分を誉め讃え暗示をかけて"高み"に位置しようと必死である。
本書で若者を中心に蔓延している"現代日本病"のように語られているのは、まごうことなくルーシー型のほうだ。
ではなぜそんな人間を、日本は作り出し、作り続けているのか…というところまで、本書は言及している。
学校体制がそんなことになっていたとは…!と少々どころか、かなりの驚きを覚えた私であった。
今の企業が向かっている先にある「弱肉強食」の世界。
それは「正しく強いものが勝つ」のではない。
「ずるかろうが卑しかろうが卑怯であろうがなんであろうが」
「勝てばよい」の世界である。
「勝ち組・負け組み」という言葉をもてやすこの今の日本社会だが、その言葉の裏にあるものを、どれだけの深みが暗い闇が潜んでいるかを見抜く…までもなく、考えた人がちょとでも居るのだろうか。
日本の未来は……どんどん暗みに向かっているよな、って気がする。
私らは兎も角(何だかんだ言って、いい時代を経験もしているし)、子供たちは可哀想だ。
ISBN:4061498274 新書 速水 敏彦 講談社 2006/02 ¥756
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