日本妖怪変化史

2006年6月23日 読書
大正時代に刊行された本だけど、非情に面白い。

江戸時代の浮世絵作家が描いたものは、想像の産物であるとして採らず、ただ、伝説・伝承をそのまま絵に表したものは参考として挙げてあるという。

こういう怪異があり、このような妖怪がおり、どのような本に収録されているかがすべて分かる。
実に便利な手引書でもある。

大正時代に…刊行された時に、爆発的に売れたそうだ。
さもありなん。

ゲゲゲの鬼太郎か日本昔話か。
穏やかな日本の昔語りにしばしまどろむ。

狐狸が人間に化け、怪しのものに化け…るのはよくある話。
だが、狐狸が他の動物に化けることもあったという。

また、植物も化ける。
つくも神が小道具に精霊の宿ったものであれば、植物が力を得て化けるのは不条理ではないだろう。
だからといって、芭蕉が人に迫ったり、寺の松の木が二本とも)そろって二人の児童に化けて出たり、しかもそれぞれ見事な漢詩を残して姿をj消しているのだから優雅なことである。

しかし180頁ほどで…この値段は…。
面白くなかったら、怒り狂っているところだった。

ISBN:4122043840 文庫 江馬 務 中央公論新社 2004/06 ¥900

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