古風堂々数学者

2006年5月22日 読書
いろいろエッセイを読んできまして、重なっている部分もままあるけど、そういうものの集大成。

話題とテーマが飛んでいるのが逆に新鮮で面白いです。

ご家族とのやり取りを書いているのが一番かな。
"会津の地を曳く女房"こと奥様もいい味を出している…。
いちいち笑えることを真面目くさって堂々と主張している著者の"可愛らしさ"にも打たれる。
それに堂々と反論する"女房殿"にも心打たれる。

割れ鍋に綴じ蓋、っていうのはこのばあい蔑称じゃないよね?

思う。
数学ってのはきっちり決まった数字と数式で、きっちりと決まったレールの上だけ進んでゆくものだと思っていた。
それはまあ、大方は間違いないと思うけど。

なんの浪漫もないもんだ、と思うのは間違いだったかな。

美しき数式。美しい定理。
それにうっとりとする著者の日常などをエッセイで覗き見させてもらったわけだけど、読めば読むほど数学者ってー。
悪く言えば、おたく、といおうか。(ごめんなさい)
よく言えば、ロマンチスト。
お星様がきらきらと輝いているような、夢のような場所でやっぱりきらきら輝いている数式とか定理とかを追いかけている人たちなんだなぁと。
確信しました。
はい。

ISBN:4101248079 文庫 藤原 正彦 新潮社 2003/04 ¥420

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