「国家の品格」を読み、"面白い"と嵌まってしまった著者の本(ただし文庫本ばかりだが)を纏め買いする。
一応入手できたものを年代順に読んでいこうかな、ということでその第一冊目にあたる。
好き、とはいえ見境無しに買ったわけではないので、トコロドコロ抜けている。
「国家の品格」では、目からうろこ状態であったが、この人の書いているのは、エッセイが一番面白い。
日常生活の、ごくごく普通にあることをよくこれだけ人に読ませる魅力たっぷりに描き出せるものだと感心する。
しょっぱなは、奥方の出産(初産)についての記録。
日本ではなじみの薄かったラマーズ法による出産を試みる藤原夫妻だが…。
本人も奥方も、そしてお母さんも、なんて個性豊かで人間的魅力に溢れた人たちなんだろうと唸らされつつ先を急いだ。
夫が同席するラマーズ法に、及び腰の著者…。
そうか、話には聞いていたけれど、男の人ってそんなに血に弱いのか?
それでよくパニック映画とかバイオレンス映画とか格闘技とか見てるよなー?とこっちにも感心しつつ。
女の人が全員、子供を生むことに恐怖なんか感じていない。とっくに諦めて覚悟がついていると思い込んでいた。
…と男である著者が驚いている。
そんなもの。
人間皆に死ぬ覚悟が出来ているかどうか?というのと同じでしょ?
女だから、平気だなんてそんなものない。
同時に、男だから平気だってこともない。
そして、なによりも自分が平気だから他人も平気だなんてことはありえない、ということですねー。
ただし。
数学者だから当たり前だが、専門的分野に話になるとこの方ものめりこむ。
読み手は素人だと了解しているからそんなに小難しいことは描いていないはずだけど、それでも夢中になるからか…充分難しいです、藤原先生。
特に数学…物理・化学よりゃマシだけど(地学は好きだった私)。
嗚呼、や〜め〜て〜である。
数学…嗚呼うっとり、なんて美しいのだ…
と恍惚としているあたり、青池保子氏のニジンスキー(イヴの息子たち)を思わず連想してしまう不遜な私であった。
いやね、人それぞれだから…べつに止めないけど。
それと、「数学なんて学んでも生活に役に立たない」と高校生あたりは言ったりする。
だけど、役に立たなくはない。
微分積分は使わなくても、就職したら自分の給料とか賞与とか査定とか営業成績とかまあいろいろ…数字を真剣に検討しなくちゃいけないときは山ほどある。
年をとっても脳みそが呆けない…呆けるのを抑制する働きもある。
そして今、とりあえずは、
つり銭を間違えたり、足し算が出来ずに(お札ばかりで精算した結果)小銭ばかりが幅を利かす重い財布を持たないですむ。
ISBN:4101248036 文庫 藤原 正彦 新潮社 1993/03 ¥500
一応入手できたものを年代順に読んでいこうかな、ということでその第一冊目にあたる。
好き、とはいえ見境無しに買ったわけではないので、トコロドコロ抜けている。
「国家の品格」では、目からうろこ状態であったが、この人の書いているのは、エッセイが一番面白い。
日常生活の、ごくごく普通にあることをよくこれだけ人に読ませる魅力たっぷりに描き出せるものだと感心する。
しょっぱなは、奥方の出産(初産)についての記録。
日本ではなじみの薄かったラマーズ法による出産を試みる藤原夫妻だが…。
本人も奥方も、そしてお母さんも、なんて個性豊かで人間的魅力に溢れた人たちなんだろうと唸らされつつ先を急いだ。
夫が同席するラマーズ法に、及び腰の著者…。
そうか、話には聞いていたけれど、男の人ってそんなに血に弱いのか?
それでよくパニック映画とかバイオレンス映画とか格闘技とか見てるよなー?とこっちにも感心しつつ。
女の人が全員、子供を生むことに恐怖なんか感じていない。とっくに諦めて覚悟がついていると思い込んでいた。
…と男である著者が驚いている。
そんなもの。
人間皆に死ぬ覚悟が出来ているかどうか?というのと同じでしょ?
女だから、平気だなんてそんなものない。
同時に、男だから平気だってこともない。
そして、なによりも自分が平気だから他人も平気だなんてことはありえない、ということですねー。
ただし。
数学者だから当たり前だが、専門的分野に話になるとこの方ものめりこむ。
読み手は素人だと了解しているからそんなに小難しいことは描いていないはずだけど、それでも夢中になるからか…充分難しいです、藤原先生。
特に数学…物理・化学よりゃマシだけど(地学は好きだった私)。
嗚呼、や〜め〜て〜である。
数学…嗚呼うっとり、なんて美しいのだ…
と恍惚としているあたり、青池保子氏のニジンスキー(イヴの息子たち)を思わず連想してしまう不遜な私であった。
いやね、人それぞれだから…べつに止めないけど。
それと、「数学なんて学んでも生活に役に立たない」と高校生あたりは言ったりする。
だけど、役に立たなくはない。
微分積分は使わなくても、就職したら自分の給料とか賞与とか査定とか営業成績とかまあいろいろ…数字を真剣に検討しなくちゃいけないときは山ほどある。
年をとっても脳みそが呆けない…呆けるのを抑制する働きもある。
そして今、とりあえずは、
つり銭を間違えたり、足し算が出来ずに(お札ばかりで精算した結果)小銭ばかりが幅を利かす重い財布を持たないですむ。
ISBN:4101248036 文庫 藤原 正彦 新潮社 1993/03 ¥500
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