じゃがたら紀行

2006年5月7日 読書
著者は、元華族。
しかも、尾張徳川家の(養子だけど)係累…であろうことは、名前を見れば分かる。
勿論のこと。

紀行文を遺そうと思ったきっかけは。
野象(凶暴らしい…)の咆哮に、目を覚まし、寝られなくなったときにふと思いついた。
とのこと。

同時に、日本人の南洋進出を止めているのはほかならない日本政府だと嘆いている。
先に読んだ金子光晴氏の紀行文「マレー蘭印紀行」でも、東南アジアに点在する日本人の"商売"が上手くいかぬ、娘子軍(所謂商売女みたいなもの)の撤退指示が出ていること、などなど…触れられていた。
時は、金子氏の昭和初年より数年を経ている。
日本人がどれほどかの地に残っていたのか、活動していたのかは不明ながら、その勢力の年々弱っていったことは創造できる。

ただ、この本はそれらとは趣をことにするようだ。
目次を見、挿入写真を見る限りは、虎を狩り、鰐を狩る狩猟の日々。

そればかりとは思われぬが、最初の"狩猟"のきっかけが、北海道に移植したもと尾張藩の人々のため(だけではないかもしれないが)、ヒグマを退治することだ。

正真正銘のお殿様だよ…。

お殿様の紀行文。
何が出てくるか、楽しみだよね〜。

ISBN:4122007356 文庫 徳川 義親 中央公論新社 1980/01 ¥462

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