某読売テレビのニュースキャスター(解説委員?)で、阪神タイガースファンで(ここが重要!)で、人気のある著者が、2002年3月に"冬休みを利用して"出かけたアフガニスタンは、当時危険度指数5「行っちゃいけない外国」だった。

当時テレビでこの報道を見て、ぜひとも欲しいと本屋を回って探した本だった。
一冊だけぽつんと書棚に残っていたのが印象深い。

入国は"仕方なく"国連機、だが出国は陸路をタクシーで峠越えする難路…。
おまけに強盗が!
変な智恵をつけられたタクシーの運転手が、特別料金を払わなけりゃてこでも動かない、といったのだった。
まったくもぅ…。

アフガニスタンのタリバンのよる暴挙、世界の顰蹙を買ったバーミヤン石窟の破壊。
写真で間近に見てみれば、ごっそりと抜け落ちたかのような跡。
かすかに残った仏画の上に、タリバン兵士のサイン…。
そんなところに名前を書いたら一生、いや、未来永劫"罪の証拠"が残るぞ〜。
仏教がいかに慈悲深い宗教だからって…ろくなモンに転生しないからな〜。(と密かに思う私)

そこに住む人々の顔には哀しみと苦しみと…。
笑顔はまだ遠い。
多くの種族が住み、利権が絡み合えば、大小を問わず揉め事は起こる。
そして文字通り"力の"強いものが正義になる(なってしまうのだ)

ありきたりの報道に疑問を感じた著者が「一観光客としてみたままのアフガニスタンを伝えたい」と思い立って実現した取材旅行は、随所に散りばめられた大阪弁のおおらかさと、さりげないツッコミで非常に楽しい文章となっている。

こういう"取材"に僅かとは言え(全部ひっくるめて250万。旅行期間1週間。これって破格に安いらしい)お金を出し実現させる某テレビ局って、さすがにすごい。
だから高視聴率を維持できているのかなぁと思ったものである。

何度読み返しても、面白い本なのだ。

ISBN:4820398202 単行本 辛坊 治郎 日本テレビ放送網 2002/06 ¥998

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