アレクサンドル・デュマ(大デュマ)の最期に際して、息子であるアレクサンドル・デュマ(小デュマ)が問いかけて答えを得られなかった疑問。

黒い悪魔と恐れられ、同時に英雄とされた父を常に横に置きながら、大デュマは、何を目指していたのだろうか。

そう思うことの多い小説でした。

そして、端役には、ビクトル・ユゴーだの、シャルル・ノデュエだの、名前だけ(しかも自分の葬式!)でバルザックだの、出てくる。
豪勢なもんです。

ああ、そういえば。
「王妃マルゴ」もこの人だったのかーとちょっと吃驚。
三銃士の快活さ、冒険心とはまるで…正反対の、なんというか、おどろおどろしさが全編を梅雨時の灰色の雲のように覆っている話だったからね。
最も、私は本を読んだのではなく、仏蘭西映画を見ただけだけど。
忘れもしない、1997年に。
サッカーの「ワールドカップ・フランス大会」の年が1998年。
日本が初めて出場権利をもぎり取った大会のあった年の、その前年だ。
フランス大会と、仏蘭西映画ってことだけではなく、とてつもなく重くのしかかる、(一言で言えば"こわい")印象深い映画だったから、よく覚えている。
そうか。
これもデュマだったのか。

大成功・大失敗・大転落・そしてまたまた…。
なにしろ"超"だの"大"だのの形容詞がつかないことには彼の人生は語れない、そんな人となりだったんですねぇ〜。

さすが、私の大好きな「三銃士」の作者!

ぐいぐいと物語に引き込まれてゆく。
次を!
続きを!
と読者が要求する。

『そうでなければ、作家じゃない。』

はあぁ〜。
格好いいなぁ。
溜息ついちゃうよ。

佐藤氏の小説としては、派手さがない(少ない?)、堅実な小説だったように思えます。
…ってどんな作家だ?(笑)

では、そろそろ、小デュマの「椿姫」でも読んでみようかな…?

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