これもまた、先述のものと同じく、ハリーの副読本的参考書。
とはいえこちらは、例の苛烈な球技・クィディッチの歴史についてかかれたものだ。

これもまた版元絶版…。

コミック・リリーフという慈善団体に売り上げの70%(すごい!)が寄付されるという本なのだそうだ。
だから版を重ねられないのだろうか?

だがしかし。
いやーまじめに設定してますなーローリング女史は。

あんな競技を、辻褄を合わせつつ面白いようにきちんと考えるのって、とんでもなく労力だと思うんだけど。

東洋ではクィディッチは大きな人気を得たことがない。旅行の手段として、いまでもカーペットが好まれる国々では、空飛ぶ箒がめったにないからである。インド、パキスタン、バングラデシュ、イラン、モンゴルなどの国は、空飛ぶカーペット産業が盛んなので、そうした国の魔法省は、クィディッチを疑いの目で見ている。しかし、普通の魔女、魔法使いの中にはかなりファンが居る。
この一般論が当てはまらないのが日本で、過去1世紀の間に、クィディッチは着実に人気を上げてきた。最強チームはトヨハシ・テング(豊橋天狗)で、1994年、リトアニアのゴロドク・ガーゴイルズに惜しくも破れた。しかし、負け戦の儀式に、自らの箒を焼き払う習慣は、せっかくの木材を無駄にするものだと、国際魔法使い連盟クィディッチ委員会が難色を示している。<第8章 クィディッチの世界的普及 より>

ファンタジーの世界でも、日本はアジアのはぐれ者で、切腹まがいの儀式で世界の非難を浴びているのね…。

作者の、なんという、鋭い観察力!(笑)

でもこれって、もしかして……「ハリー・ポッター」シリーズに対する、熱狂度の比喩?

だが、数世紀を読まれ続けたイスラム圏最大のファンタジー「アラビアン・ナイト」に対抗するのはまだまだ…難しいだろうなぁ。
そう。
カーペットは偉大なり(笑)

ISBN:4915512444 単行本 松岡 佑子 静山社 2001/09 ¥945

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