ボーニーはわがままだ。
独裁者で、権力者で、なんでも自分が一番で。

そんな彼に見出され抜擢され働かされた激動時代フランスの、有名無名(いや、有名なんだけど日本でマイナーってだけで…)な男たち。
…の物語。

著者はもっとかる〜い本を書いているイメージがあります。
だから余りというかほとんど著作を読まない人なんですが。

その軽さ、さらっと流すさわやかさが魅力的な文章になってます。
扱う対象はひとくせもふたくせもある、あのナポレオンの元帥たちですから。
その腹のうちは日本海溝より宇宙より深いと思うんですが、それをさらりと語っている。
予想に反して、とっても
好感が持てました。

ただ、副題に「勝者の決断に学ぶ」なんてあるんですけど、これって意味深ですよねぇ。

結局見捨てた人がほとんど…なんだし(笑)
「自分が一番可愛い人」
とどいつもこいつもがナポレオンをそう分析している辺りは笑えます。
そんなん当たり前やん、と思うだろうけれど、仮にも「英雄」として光り輝いていた彼ですから、そんな風には見えなかった。
まかり間違っても見えないように見せていた、って所でしょう。
部下が自分を超えて大きくなっていくことを許さない。そんな上司の下で言われるがままに振舞っていたのでは、上司の限界が自分の限界になる。いくら手柄を立てても上司の株を上げるだけで自分が消耗し、そのうちには上司と共に滅びるだけだ。自分を生かす時がない。

スルト元帥の章です。
…けど、現役サラリーマンの胸にぐさぐさ刺さる文章でもありますね。
(見に覚えがあるのか!?自分……ない、と言い切れないところが辛いな)

笑うしかないやん!

ISBN:4103897058 単行本 藤本 ひとみ 新潮社 2005/11 ¥1,680

コメント

ボースン
ボースン
2006年2月11日20:59

あ、ごめんなさーい!「戦争と平和」を入れ忘れました〜!(^^;)
今度また、送りますね。ホームズが戻ってきたらその時にでも。

翠雲
翠雲
2006年2月11日22:21

は〜い。
楽しみにしてます〜♪(私の方も忘れてました)

この「ナポレオン…」も面白いです〜。

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