杉山先生の「クビライの挑戦」なんて本を本で居るとつらつらと思い出してきたのがこの本。

モンゴル関係の漫画本もそれなりにはあるだろうけれど、これはマルコポーロの視点から、それもえらいおもしろい視点からかの国を見ている。

漫画は、本当は今、本箱の奥の奥で取り出せない状態なんですけど…ま、覚えてるんだからいいか。

いかにかの国が世界帝国であったか。
こういうコミックスからでも容易に察することが出来ます。
確かにすごい国です。

でも、私は。

モンゴルが明朝に圧され、大帝国を維持できなくなったとき。
とうとう中国本土から、中華の土地から出て行こうとするときに、それまでその地に家を築きそこで代を重ねてきたはずのモンゴル人たちが、なんのためらいもなく、馬にまたがり北を目指して走り去った。
北へ北へ。
かつての先祖たちが土地に縛られることなく暮らしていた、北方の草原に。
あっさりと、中華の土地をすてて。

……というイメージが自分の中で勝手に膨らんで、とても魅力的に感じたものです。

遊牧民の本体というか、根っこはそういうものなのかな〜と漠然とその強さを思ったものです。

野蛮人といわれ(日本もだけど)、馬鹿にされ、中華に王朝をうちたてたがゆえに憎悪され、挙句、ソ連の影響下にあってはチンギスハーンも英雄と讃えることは禁止されたモンゴル。
ソ連崩壊後、チンギスハーンは英雄の地位を取り戻したそうですが、民族の心根をどうこうすることは決してしてはいけないことです。
決して出来ないことでもありますが…さて、今の日本を観ているとその自信も揺らぐことが多すぎて。

ISBN:4267903247 コミック 神坂 智子 潮出版社 1999/08 ¥560

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