どこかで聞いたことがある名前だとおもったら……嗚呼、その昔、出身大学の先生だった人だった。
(残念ながら、入れ違いで教えは受けなかったけど)

その後、多分、某大学の市民講座で何度か講義を耳にしたような記憶も…あり。
大都を覆いつくすパオの風景…を想像させるような講義をしてらしたような記憶もあり。
当時は「なんゃ、そりゃ〜」とついていけなかったけど。
そのときからはっきりと、モンゴル擁護を唱えていらした。
それだけでも奇異に感じたものだった。
まァ、そんな風だったから、独特の講義をする先生だな、と強く印象付けられたのであろうが。(だから覚えているのだろうな)

本を読み始めると「ああ、やっぱり」と記憶が蘇る。
やっぱりこの先生だったよなーと。

導入部、まずはモンゴルへの偏見を払拭しようとする。

洋の東西を問わず「悪者」になっているモンゴル(帝国)(民族)への誤解を解こうというのである。
大虐殺・大破壊。
この程度のことは、どの国もどの民族もどの歴史もやっている。モンゴルが取り立てて残虐なのではない。

だが。
何でもかんでもモンゴル(帝国)の責任に覆いかぶせてしまえ、という風潮があるのだと。

確かにね〜。
風潮に"踊らされている"部分はあるだろう。
今現在、これほどインターネットや情報網が発達していても、捜査をしようと思えば、間違った情報で人を国を躍らせることは可能だ。
私たちは意外や簡単に"だまされて"しまう。

それが過去の、歴史のことであればどうか。

モンゴル帝国は科挙もしなかった。
科挙によって位人身を極めるといわれた儒学者は、モンゴル帝国では10番中の第9位。
なんと売春婦(8位)よりも下に見られたそうだ。

それは…哀しい、というか。
口惜しいだろうさ。
威張っていた分、かなり。
人より高いところから、人より低いところまで落ちている分。

だからその腹いせもあったんだろうって話だ。
モンゴルを徹底的に悪人に仕立て上げる。
歴史は変らないけれど、"ゆがめて見せる"ことはできるからね。

ただ…どうだろうか。
悪人ではない。
だからといって善人とはいえない。
やったことをやっていないとはいえない。
そのあたりの見極めは、非常に難しい。

しかし海上帝国かぁ…。
そりゃ、航海も船も充分あったのだろうけれど、イメージが。
"船"といえば、宋の技術力。
"航海"といえば、やはり鄭和や鄭成功。
…というイメージが(笑)
固定観念は動かしがたし!だね。

ISBN:4022596252 単行本(ソフトカバー) 杉山 正明 朝日新聞社 1995/04 ¥1,529

コメント

ボースン
ボースン
2006年1月20日8:01

ふうん、モンゴルへの偏見ですか〜。そういうものについて熱く語る学者さんがいたとは。

いや、欧米はともかく、日本人は何も言わなくても割とモンゴル好きだと思ってたんですけどねぇ(笑)
井上靖の小説とか、スーホの白い馬と馬頭琴とか。義経チンギスハン説なんて妙なものも出てたし…(^^;)
顔つきも、世界一日本人と似てるって話だし(でも精神構造は天と地ほど違うんだろうな。遊牧民族だから)。

文脈がわからないので見当違いな感想ですがお許しをm(__)m
本は今日当たり送りますのでヨロシク。

翠雲
翠雲
2006年1月20日18:38

こんばんわ〜。
本の補給、有難いです〜!

ええ〜一杯誤字がありました、ってことに今気がつきました。
文脈もとっても分かり辛いだろうなぁ(笑)と思います。
この方は学者さんなので、日本だけでちやほやされているだけではガマンできなかったのでしょうか。

モンゴルを悪く言っているのは、
?中国の史書、
?西洋の歴史学者 

である、と述べておられます。
外国の歴史家の行っていることは知りませんが(私はモンゴルを専攻しなかったし)中国の史書ではひどいことを言われているってこと、少しぐらいは知ってます。

ま、その後の日本よりましかも(笑)しれないって程度…。

でもね〜確かに、講義の時も、やたらあちらへ傾きすぎ、という感じはありました。(市民講座だけではなく、もしかしたら大学でもちょっとだけカスッたことがあるかもしれないと、思いなおしました←いい加減な私)

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