ISBN:4104369039 単行本 佐野 眞一 新潮社 2005/07/28 ¥1,890
怪しい題名だよな……
と思ったら、充分怪しい本だった。

満州国があった時代の日本の御話だ。
つまり、60年以上前の話だ。
満州で、莫大な財を成した日本人(男)の物語。
財の源は、阿片。

つまり麻薬だ。

…で、本を開くなり、写真が飛び込んできて仰天する。
なんと、甘粕大尉。
この人の名前は有名でも、実物(の写真)を見たのは私ははじめて。
「ラスト・エンペラー」では確か阪本龍一がその役で、やたら映写機を回していたように覚えている。(テーマ曲を書いていただけではないのだ。)

なんだか胡散臭いことをやってたんだろうなーという匂いがプンプンするが、偏見はいかんな。
とりあえず、読んでみることにする。

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満州で敗れた夢を、敗戦後の日本でやった。
それが高度成長だ。

……って。
アジア初の水洗トイレとか。
ウオッシュレットーは、今でも欧米人が「ここは宇宙船か!SFの世界か!」と驚くものらしいがーは、話が違うな。

とりあえず、異常なほどの高度成長と、便利な生活様式は、全部満州国でやっていた(やりかけていた)事なんだそうだ。

そんなにええ所だったとは、ドキュメントでは聞かないけどね。

満州という言葉が、「夢」を与えるものであったことだけはぼんやりと分かる。
先日の正月の特別番組でも、著名落語家が"酒が好きなだけ飲める"と聞いて満州へいき、ウオトカをがぶ飲みした話を聞いたばかりだし、私自身の親戚も、もう少しで、満州の土となるところだったと聞いている。
終戦も近い昭和19年だったかに、「家族ぐるみで満州へ行こうとした」のがじーさん+大おじさんたちなんだそうで(おばの証言)

…下手したら私ら生まれてませんがな。
良くぞ思いとどまってくれたもんだ、というか、止めてくれた人に感謝。

私は、あんな寒そうなところは いや です。
絶対に。

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