銀杏物語

2005年12月22日 読書
ふる〜い漫画だからレビューが出ないのも仕方がない。
でも、大好きな作家さんだ。
だから、時々読み返している。

東京から田舎に引っ越してきたチエは、小学校の校長を父にもつ元気な小学5年生。
喘息に負けず、走りたい、行きたいと願った彼女は必死のリハビリの末、この小さな村で目一杯走り回ることが出来たのだ。

なんの産業もとりえもない田舎ゆえに、出稼ぎの父を見送らねばならない子供たち。
そうした子供たちが寂しいといって大きな銀杏の木の下で泣くことがないように、村だけで生きてゆけるように、スパルタ教育を施す若い担任教師。
今は無理でも、10年後、30年後をと、夢を見て希望をもって取り組む若者たち。

日本が高度成長の余波をかって、ぐんぐんバブルに向かって邁進していた頃のお話です。

田舎の風景や人の心の交わりがとても優しく描かれている。
この作家さんは情緒を画に出来る人だと思う。

彼女の漫画は歴史を扱ったものも多い。
「地中海のルカ」
は、ローマに滅ぼされたカルタゴの生き残りが、地中海を(アドリア海を?)暴れまわってローマの商船を襲いまくる話。
最強の海賊・ルカをスパイするために、ひとりの若者が潜入する。
海賊…というだけでもうっとりなんだけど。
当時は帆船のこともよく知らなかったし、自分でもまったく気がつかなかったけど、昔からこの手のものに弱かったようだ。
そういや、最後が悲劇、というのも多いな。
この作者は。

「エトルリアの剣」
は、やはり古代イタリア(?)の民・エトルリアの話。
所謂ロミオとジュリエットみたいな話なのだけど、涙なくして読めなかったなぁ。
イタリア?ッぽいけど、まったくの創作かも。
エトルリアという国名は聞くけどね…。
数百年も生きる長寿の民、となるともう神話か伝説の世界だし。

ローマは詳しくないのでよく分かりませんな(笑)

あ〜そうそう!
題名は定かではないけど、パルミュラの女王を扱った漫画も素敵だった。
無茶格好いいの!
誰がって…女王、バト・ザッパイが。
(彼女のアラビア名が格好よくてよく知られているローマ名をよく忘れます…なんてったっけ?)

こういう話を読むにつれ、「ローマってのは…」と思ってしまうね(笑)

ISBN:4061064169 新書 文月 今日子 講談社 2000/00 ¥389

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