「ベラム館の亡霊」読了。

カツンカツンと呪いの館に響く音。
失った子供を捜す足跡。
埋められた子供を壁から掘り出す音。

その実体は…!

人間関係といい、事件の裏話といい、よくまぁこれだけ複雑に糸を張り巡らし、こんがらかりもさせずにきちんと解決口を与え、理屈に一点の曇りなく(神秘主義的なところはよく分からなかったが、西洋宗教の話になると、我々東洋人には歯が立たない…ので、こんなものではないだろうか?)最後は見事にといてみせる。
しかも、無駄が無い!(登場人物も事件にも!)

や〜どきどきしたなぁ。
見せ場が上手な作家だと思う。

パイプぷかぷかのおばーちゃん、なかなかいい味です。

それにしても不老不死…。
そんなにしてまで追い求めるものなのか。

寿命が無くなれば、人間は良心が無くなる。
だから、神も不要になる。

理屈だろうが、それだけで人は生きられない。
なぜなら人には心があるからだ。

作中人物の科白、
愛は神々しい人の姿をしている
というのは、つまりそういうことなのではないだろうか。

面白かったです。

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