英雄とは

2005年10月16日 読書
英雄とは
金庸氏の描く小説の世界。

単なる読んで楽しい見てスカッとする、だけではなく、いろいろな意味を含んでいるのだった。
あまりのテンポのよさと展開の荒唐無稽さに目を奪われてそんなことにすら気がつかなかった。
粗忽ものだ。

毛沢東。
中華人民共和国を作った英雄。
同時に、数え切れない人を殺した人間、である。

英雄は、人を殺してなんぼ、なのか。
死んだ一人の人間に必要な土地はどれだけなのか。
それ以上の広大な土地を多くの人命と引き換えに奪い取る。
多くの人を殺して、果たしてそれが英雄なのか?

一人殺せば悪人だが、百万殺せば英雄。
とは、昔からよく言う科白だが。

金庸氏の視点がどこにあったのか、小説のラスト、そして後書きにいたってようやく理解した。

圧制に苦しむ人民に、疑問を感じる一般人に受けるはずだ、彼の小説は。

だが、それだけの中国人が、嘗ての絶対支配者にそういう思いを抱いているのかと、それもすぐには信じられなかった。
わき目もふらずに信奉している、というかんじだったからなぁ。
以前の中国は。
国慶節の北京の人民広場とか、5月4日の毛沢東祈念堂の前とか。
そりゃすごいのなんの!

だからこそ、対日暴動を抑えられなかったのか。
情けないのぅ。
…って思ったら駄目?

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