楽毅〈第3巻〉

2005年10月15日 読書
王が死に、太子が即位する。
十重二十重に敵軍に囲まれた、瀕死の王都でのことだ。

そして王孫は、南東の地に楽毅とともに戦って新たな城市を得、太子となった。
王都が陥落する寸前のことであった。

寸断された国土。
王都の陥落。
再び、王の死。
驕り高ぶってきた小国は、この期に及んでも諸国の同情も哀れみも得られずにいる。

中山国の未来は閉塞しているように思える。
その中で、楽毅に従う中山の人々は諦めない。
楽毅を信じて戦うことで、未来への希望を繋ぎとめようとしている。

滅びに向かう国の運命は砂時計の砂よりも速く時を早く刻むものである。
落ちて行く…そう。
まさに、堕ちて行くのだ。
とどまるところを知らないのは、なにも鴨川の水だけではない。

そんな経験はしたくないものだ。

歴史に学び。
歴史を視ることで、未来を視ることができる。
「歴史を学ぶ」
と言う言葉の意味は、本来そういうことなのである。

丸暗記することではない。

その言葉がこの作中にも出てきてほっとする。
己の考えを力強く後押しされた気分なのである。

決して、自身のパフォーマンスのために過去の出来事や先人の知恵を利用(悪用)するべきではない…ってことを、だれかさんはいい加減気がつくべきである。
みっともないったら……。

そのうち、用法を間違うぞ……。
あーもう遅いか。
ISBN:4104004081 単行本 宮城谷 昌光 新潮社 1998/10 ¥1,890

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