第一世界大戦。
1914年に始まり、3年の間で欧羅巴の土地と経済を枯らした。

その中で、いまだ騎士道を讃えていたのが空軍。

逃げる敵は追わず、負傷した敵も追わない。
堂々と勝負し、一騎打ちは見守り、落ちた敵は好敵手に敬意を込めて挙手をする。
(下の畑に落っこちて、自分を落とした相手に手を振ってるパイロット…う〜む)
敵の基地まで飛んでいって、敵のエースに挑戦状をたたきつけてくる。

そんな浪漫をまだまだ残していた(らしい)第一次世界大戦。
仏蘭西のとある傭兵部隊で活躍する彼ら、"飛行機バカ"の物語…の2冊目である。

リヒトホーヘンというドイツ軍のエース(撃墜王)もいい加減バカだったようだ。
リヒトホーヘンの名は、そういや聞いたような気もする。
いい加減だけど、興味外だったらそんなもんだよね。
海軍関係ならまだましなんだが…。

機体を真っ赤に塗っていたんですか。
或いは赤を基調に色を散らして…赤に尻尾を黄色?…ほぅ…ドイツ人ってそういうお茶目もできたんですね。
しかも彼だけではなく、かの国の戦闘機乗りがほとんどそうだったとは。
結構自己顕示欲、強かったんだね。
これも意外な発見でした。

エースだなんだ、そういってる間はまだマシだったね。
いんや。
戦争にマシも素敵もないか。

イラク攻撃の米軍の、全自動のミサイル(しかも故意か偶然かいっぱいミスしてるし)なんか、浪漫でもなんでもない。
(味方の)人間の命を守ろうとするならそれが一番の方法であろう。
そもそも戦争に浪漫を求めるのが間違いって事だろうしな。

なんとも複雑…な心境である。

さて。
主役のリック君は今日も元気で"飛行機バカ"に磨きをかけているようだ。
エースを狙え!…じゃなく、エースに成るために!
(ところで、エースって誰が決めるのだろう?公式認定条件とかちゃんと決まっているのかな?それとも自然発生的?)

1冊目にもあったが、
「なんら不安がなく」
     (祖国や祖国に残した人と強い絆でつながれている。なんら疑うこともなく)
「国に絶大なる信頼を置いている」
     (革命も政情不安もなく、どっしりと社会的に安定し揺るがぬ祖国)

主人公だからこその能天気さは、アメリカと言う国が生み出す体質なのだろう。
お暢気で。
お気楽で。
単純。

…でもって、俺様気質。
まさしくアメリカだ!

いやはや、よく描けてるなァ。

ISBN:4086147580 文庫 須賀 しのぶ 集英社 2000/09 ¥520

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