中華圏12億人のファンを持つといわれる金庸氏の武侠小説第4巻。

東西南北に位置する使い手の最後の一人。
南帝が登場…って本当に大理国ってタイ系の皇帝が勝手に国を建てていたわけで、そのあたり、憎い設定だねぇ、と唸らせる。

伏線の曳き方が巧妙で、なるほどこの上手さに惹かれもするのだな。
しかし、主役の若者は、なんだか頼り甲斐のないぼさーとした、真面目で誠実なだけがとりえの男だし。
主役の一翼をになうのか?と思われた若者はどんどん情けない功利主義の男になってゆくし。
一番頼り甲斐があるのが、10台の女の子だというのだから…。

確かに中国では女性が強いけどね。
恐妻家も異常に多いと聞くし。
現実を反映しているのかも。

凄いな、と思ったのは数学(算計)問題を出し合うところ。
中国では算術は評価されていなかったので、みすみす欧羅巴に追い抜かれてしまったが、その理論の起源は、数百年も先を行っていたという…(ああ、勿体無い)

なにせ、紙も羅針盤も火薬も中国が先で、そこから欧羅巴に流れていったのだから、如何にも納得できる話である。

文つまり詩に重きを置いたお国柄ならではの話である。
(「それぐらい」と、何に関しても太っ腹すぎるのかも)

舞台の広さが面白い。
次はサマルカンド?

ISBN:4198923027 文庫 岡崎 由美 徳間書店 2005/09 ¥840

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