国家がなすべきでないことは、他人の領地を合併していたずらに勢力の大を誇ろうとすることだろう。その巨大な領域に見合うだけの大規模な軍隊をもたねばならず、持てば兵員たちを絶えず訓練し、おびただしい兵器を間断なくモデル・チェンジしていかねばならない。やがては過剰な軍備と軍人、あるいは軍事意識のために自家中毒をおこして、自国そのものが変質してしまうのである。

「ロシアについて」司馬遼太郎より

その変質が向かうところに、国の破滅がある。

この文章を読んでいると、どの国に、どの国家にあてはまるか分かるだろう。
それも一部の隙もなく、まるでそのものを見て、ただ今現在書いているかのように思える。
この洞察力のすごさとともに、歴史を見れば、未来が分かる。
という言葉の正しさにも思い当たる。

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