後宮小説

2005年9月19日 読書
うっわ、なつかし〜!

…というわけで、友人から大量に借りた本の中に入っていたのがこれ。
著者の、1989年受賞デビュー作品。
とんでもなく世間に受けて、題名がコレなのに、なんと2時間アニメになって放送されたという品である。

うん、まあ、後宮、とはいえ、そこに入ることになった天真爛漫な少女の、素朴な疑問とか落ち目の王朝の(実際彼女の夫となる皇帝は王朝最後の皇帝となる)死に行く姿であるとか…。
中味は純愛小説の方に近いかも。

少なくとも、どろどろとした昼メロ風ではなかったな。

娘の名を銀河。
皇帝の名を双塊樹(コリューン)。

後宮の宮女になるための女大学、そこで学ぶ宮女候補たち。
西域かぶれの貴族。
(西洋風に○○と呼ばせる、という記述など)

空想の世界だから渾然とした社会設定ではあるが、イメージとしては唐朝。
反乱をたくらみ王朝を一度は殺す(のち、銀河の息子〜双塊樹の後継者〜が奪還する)西域の匂いのする無法者は、安禄山のイメージだ。(ちょっと劉邦も入っているが、失敗に終わるのは安禄山のほうだし)

このあたりの発想の面白さがこの小説の売り物であり、第1回日本ファンタジーノベル大賞・受賞の意義であろうか。

久々に懐かしく、読み返す私である。

ISBN:4101281114 文庫 酒見 賢一 新潮社 1993/04 ¥500

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