孟嘗君〈5〉

2005年8月23日 読書
黄河の氾濫じゃないけれど、とどまるところを知らない流れ、の如く読み進んで、とうとう最終巻にきてしまった…

−かの御仁には翼がある。
 貴方には、ありますか?

そう問われて争うことを諦めた。
ならば、と信義を通わせ、力を借りることを考えた。

世界がこうであれば、争いは起こらないものを。

捜し求めていた、最愛の人とのめぐり合い。
白圭とーちゃん、やることが憎い!
さすが!!

争いに明け暮れた時代からこそ、希望を持たせてくれる人を、人は慕うのだろう。

孟嘗君が亡くなった後の嘗邑がどうなったか。
そのあたりを同じ作者が書いている小説がある。
あくまで、話の端緒として書いているだけだが、どれほどの幸せをつむいだ国であっても、人が変わり時代が変われば消えるものは消える。
その有様が痛ましくて読むのが辛かったことがある。

永遠はない…というのは、諸行無常を好んで口にする日本人であればよく分かっているはず。

歴史を観る・学ぶということは、そういった人々の悲しみと、のたうち苦しみ時の狭間に消えてゆく時代のうめき声を聞いてゆくことであるのかもしれない。

ほんまに、早く新刊出ないかな?
ハードカバーでも買うからさ。

ISBN:406263905X 文庫 宮城谷 昌光 講談社 1998/10 ¥600

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