孟嘗君

2005年8月21日 読書
友人に借りて読んだのが最初。
友人に返却した後、自分で買った。

そして今回で何回目だろうか。
宮城谷作品の中でも特に私の好きな作品だ。(太公望に張る)
だから何回でも読める。
読んでしまう。

時代は戦国時代。
日本じゃないよ、中国の戦国時代だよ。
だから紀元前の御話だ。
戦国時代というぐらいだから、いくつもの国があって、われこそは天下統一を!…でもちいとばかり力が足りないのよねーなんてやっている。
現在の渤海湾に面したところに"斉"という国があった。
もともとはあの、太公望が周王朝から貰った土地。
…そう、例の、針のついていない釣り糸を垂れていたじーさん(といわれている)。
「何かつれますかな?」
なんて近づいて尋ねた周の文王の軍師として、当時の王朝・殷を滅ぼした人である。
文王に車を曳かせ、その歩数で周王朝の命数を計ったとも言われている。(途中で家臣がこっそり手を貸したため、「助けられてちょっとだけ長続きする」と占じたという。なかなかドラマチックだね。)

しかし、当時の斉は大変だった…というか戦国時代である。
どの国だって大変だったろう。

そこに生まれた一人の赤ん坊。
高貴な血を引きながら、まれながらにして親と離れなくてはならないという運命を背負った男の子。
それが長じて斉の宰相となった、歴史に名高い孟嘗君である。
(函谷関の故事は有名。祇園祭りの鉾にもなっている。)

でも最初はね…その育ての父が…格好いいのだ!
とにかく良い男なんである。
(顔が、ではなく)

小説の魅力は勿論それだけではない。
NHK大河ドラマに匹敵する、このドラマは、何度読み返してもわくわくどきどきするのである。

ISBN:4062638622 文庫 宮城谷 昌光 講談社 1998/09 ¥600

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