許すかNOか―イギリス・ニッポン57年目の和解
2005年8月18日 読書
今まで文庫本でしか買わなかった高尾氏の作品。
終戦57年目、だから、3年前のこと。
日本軍がアジアの諸国民にどれだけのことをしたのか。
日本人が忘れても彼らは忘れない。
その恨みは、想いは、彼らの家族に受け継がれて、恨みの連鎖が延々と続くことになる。
だから。
話をしなければならない。
謝罪も、きちんとしなくてはならない。
でなければ、ナサケナイことになる。
悲惨な事になる。
それは、日本が原爆投下のことでアメリカに対してもっている感情と同じ。
そういうことを底において、実際タイで捕虜になり死ぬ思いをした英国の老人が、著者と知り合って日本へ来た話しを核に、時は流れる。
「平和とは美しい音楽を聴くようなもの」
広島で小学生にそう述べた彼は、今上天皇・皇后夫妻が訪英したときに、日の丸を焼いたことで著名になった人でもある。
謝罪するとはどういうことなのか。
歴史を知るとは、教えるとは、どういうことなのか。
日本人は、日本という国は、何度も考えるべきである。
時間が経てば、煩い連中は死んでしまう。
それを待つだけだ。
なんて。
これが、日本の外務省の科白だなんて。
この国を愛するがゆえに、腹が立つ。
情けない。
これこそが日本人のプライドを傷つけている科白だと、彼らは気がつかないのか。
「日本は私たちが死ぬのを待っているだけ」
朝鮮や中華圏のかつての従軍慰安婦の女性たちもそういって泣いた。
彼らが死んでも、その家族が、その思いを抱いて生きてゆくことは分かっている。
原爆に苦しむ人々が、今も日本に存在し、毎年死亡者名簿が書き加えられるように。
人の想いは、強い。
人が思うよりも、遥かに、強い。
国民の意思に反して修羅の道に突っ込もうとしている国。
こんな国を許してくれとは、私からもとても言えない。
許してもらわなくていい、と思う。
(許してももらうだけの、国としての価値が無い)
ところで。
原爆を落としたことに無関心なアメリカとアメリカ国民…といおうのが一般の日本人の考え。
ところが違うらしい。
著者も吃驚していたが、私も吃驚した。
彼らは気にしている、というのだ。
だからこそ、日本の戦後の経済復興への援助。
あの莫大なる援助。
あれは「罪悪感のため」だと著者の知り合ったアメリカ人(戦争経験者)が言ったのだ。
へ〜、ふ〜ん。
これは驚いた。
本気で驚いたよ。
政治の裏側に、本当にいろんな汚いことが埋もれている。
この著者のエッセイには、そういうものがたくさんたくさんひょこひょこと……醜い首を出しているのだ。
ISBN:4885461030 単行本 高尾 慶子 展望社 2003/10 ¥1,500
終戦57年目、だから、3年前のこと。
日本軍がアジアの諸国民にどれだけのことをしたのか。
日本人が忘れても彼らは忘れない。
その恨みは、想いは、彼らの家族に受け継がれて、恨みの連鎖が延々と続くことになる。
だから。
話をしなければならない。
謝罪も、きちんとしなくてはならない。
でなければ、ナサケナイことになる。
悲惨な事になる。
それは、日本が原爆投下のことでアメリカに対してもっている感情と同じ。
そういうことを底において、実際タイで捕虜になり死ぬ思いをした英国の老人が、著者と知り合って日本へ来た話しを核に、時は流れる。
「平和とは美しい音楽を聴くようなもの」
広島で小学生にそう述べた彼は、今上天皇・皇后夫妻が訪英したときに、日の丸を焼いたことで著名になった人でもある。
謝罪するとはどういうことなのか。
歴史を知るとは、教えるとは、どういうことなのか。
日本人は、日本という国は、何度も考えるべきである。
時間が経てば、煩い連中は死んでしまう。
それを待つだけだ。
なんて。
これが、日本の外務省の科白だなんて。
この国を愛するがゆえに、腹が立つ。
情けない。
これこそが日本人のプライドを傷つけている科白だと、彼らは気がつかないのか。
「日本は私たちが死ぬのを待っているだけ」
朝鮮や中華圏のかつての従軍慰安婦の女性たちもそういって泣いた。
彼らが死んでも、その家族が、その思いを抱いて生きてゆくことは分かっている。
原爆に苦しむ人々が、今も日本に存在し、毎年死亡者名簿が書き加えられるように。
人の想いは、強い。
人が思うよりも、遥かに、強い。
国民の意思に反して修羅の道に突っ込もうとしている国。
こんな国を許してくれとは、私からもとても言えない。
許してもらわなくていい、と思う。
(許してももらうだけの、国としての価値が無い)
ところで。
原爆を落としたことに無関心なアメリカとアメリカ国民…といおうのが一般の日本人の考え。
ところが違うらしい。
著者も吃驚していたが、私も吃驚した。
彼らは気にしている、というのだ。
だからこそ、日本の戦後の経済復興への援助。
あの莫大なる援助。
あれは「罪悪感のため」だと著者の知り合ったアメリカ人(戦争経験者)が言ったのだ。
へ〜、ふ〜ん。
これは驚いた。
本気で驚いたよ。
政治の裏側に、本当にいろんな汚いことが埋もれている。
この著者のエッセイには、そういうものがたくさんたくさんひょこひょこと……醜い首を出しているのだ。
ISBN:4885461030 単行本 高尾 慶子 展望社 2003/10 ¥1,500
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