シリーズの最新刊。

王都に帰って(もちろんお仕事で!)昔の知り合いたちが大集合…と言うほどでもないかな?
まっくろくろすけが生きてゆけない都会へ、主人公は還って来ました。
あれやこれや背負って…だけど。

うう〜ん……。
時、ここに至って、作者の野望が開眼!

       って感じでもあるんだけれど…。

それはそれでいいんだけど、舞台を仕切りなおした方が良かったのでは?と思わないでもない。
あくまでも私は、だけど。

物語の、向いている方向が最初とはこうも変わってくる(ように感じられる)と…どうなんだろう?
社会状況というか、最初の枠組みから微妙にずれている気もして…読んでいて違和感を感じたり、前ほど面白いと思えなくなってきたのが非常に残念だ。
空想社会の政治談議なぁ…どこまで付いてゆけるやら。
(そんなもの求めてなかったよ〜という声が私の耳にも聞こえる)

最初に読んでいた物語とはまったく異質の物語になってしまったような気もする。
戸惑って付いてゆけない、という感じなのかな?
「こんなの求めてなかった」とか、「こんな筈じゃなかったのでは?」と読者が感じてしまったら…辛いよね。

それと新顔のお名前が…珍しい難しい漢字ばっかり使うからネタ切れかしらん?
普通の文字にしとく方が現実味も有ると思うのだけど。
漢字と言うのは、その"ひともじ"でいろいろな意味を持つから、下手に重ねられないよね。
その人を支配する名前であれば、なおのこと。
ただ…
歴史上の人物や有名物語譚の登場人物を連想させる名前も、イメージが被るからやめて欲しい、とは思う。
折角の力作が、台無しだ。
この「彩雲国」の世界から、いきなりパロディの世界に堕とされた気分になって仕方が無い。

…まあ、何事も、所詮は好き嫌いでしかないけど。

所々の描写は、まだまだ面白いものが残っているので、希望は捨ててはいない。
しかし、このシリーズを買ってまわしてくれる人が、いつまで買ってくれるか…まわしてくれるのか、そっちの方もとっても気になる今日この頃である。

ISBN:4044499071 文庫 雪乃 紗衣 角川書店 2005/07/30 ¥480

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