表紙の人形で思い出すのは、ロシアに留学していた友人の話だ。

「あの人形は、開けられる。中にはもう一回り小さな人形が入っていて、その中にはまたもう一回り小さな人形が…」
ふんふん。
みやげ物コーナーで見たことあるぞ。
切っても切っても金太郎飴…じゃないや、まぁ似たようなもんってわけですね。

「でね、ゴルビー(ゴルバチョフの愛称)の人形があってね、それを開けるとね、エリツィンがでてくるの。それをもう一度開けるとね…」

……格闘技好きのだれかさんが居た、というわけですな。

当時はロシアもすったもんだしてちょうどエリツィンに政権が渡ったばかりの頃だったので、ビックリ箱の話のように思えました。
いまじゃ、なんてことは無い話題なんだけど。

今、頂点にいる、その誰かさんの中にもまだ誰かさんがいるんじゃかなろうかーとか想像すれば、その気持ちは分かってもらえるのではなかろうか?

この本はロシアの話。
必然的にソ連邦末期のウォトカ事件(ソ連でも禁酒法のごときものがあって、大々的なニュースになっていた)とか、ゴルビーの改革の失敗談とか、エルツィンの酔っ払い事件とか、時効の過ぎた(でないと話せないよな)裏幕の話が目白押しである。

なにしろ、鉄のカーテンの向こう側の話なので、何を聞いても面白い、たのしい〜。

肉よりウォトカのほうが安い。
だからソ連人民は皆ウォトカで酔っ払うしかないのだ!

思う以上に悲惨な生活だったようです…。

ISBN:4062730804 文庫 米原 万里 講談社 2001/02 ¥520

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