先の読んだ「水滸伝の世界」もそうだけど、この人のお話には国民党だとか、中華民国云々だとか、毛沢東・胡適・王古魯とか比較的現代に近い人が出てくる。
それも過去の人、としてではなく。

よく見れば、著者は1937年生まれ。
戦前生まれだから、世界観・中国感も我々とは違う。
そのあたりを、ふと、感じてしまう。

おまけに後半は「水滸伝」と言う本の疑義についてとうとうと検証しているので、少々あくびも…まぁ、出たわけだ。
「そんなんどうでもいいやん」と。
興味がなかったら、そうもなろうというもの。

「水滸伝」がわたってきた日本で、"古い形"の水滸伝本が残り、江戸期を通して庶民レベルで知られていたこと。
それに反して本場の中国では、まともな「水滸伝本」がなくなって、変形させられた(中国では良くある)「水滸伝」を本物であると信じきっていたこと。
従って、人民共和国になると、"日本のものより、より古い"「水滸伝本」を必死になって探したこと。

そのあたりの中国学者の苦労譚はなかなか読み応えがあったが…。

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次の本。
「本と中国と日本人」
は、"おしゃべり"をまとめたもの、前書きにある。
つまりエッセイなのか。

それでも著者の年齢層が物を言うだろう。
私の知らない世界…で、楽しみだ。

テーマ別の分かれた目次で目を惹くのが、

「教祖の死に方」
「北は勇敢、南は有閑」

なんとなーく、わからんでもない。
想像できちゃうところが…。

とりあえず、前者は孔子さまである。
納得でしょ?

ISBN:4480039163 文庫 高島 俊男 筑摩書房 2004/02/11 ¥998

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