「ゆこうか」
「うむ」
「ゆこう」
「ゆこう」

こうして今日もまた、源博雅は安倍晴明のあやしの世界へと誘われてゆくのであった。

陰陽師。
その実は、人の、哀しみと業が溢れて御しきれなくなったものを不思議の術と暖かな掌で治める者である。

今回は、安倍晴明のお師さん…の息子。
賀茂家の現頭領・賀茂保憲氏が登場。
面倒くさがりで、"後始末"を安倍晴明に押し付けるといういい性格をした人物だが、憎めない。

二股の尾を持つ"猫又"をお供に、今日もゆくゆく……。

……余談だが、物語を読んでいるうちに、夏の貴船で鮎の塩焼きを食べたくなった。
読んだ人にはよくわかるはず……

ISBN:4167528134 文庫 夢枕 獏 文芸春秋 2005/03 ¥500

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