必ず当たるという占星術の予言によるのではなく、
自分の人生を、自分の力で切り開いてゆく。
だから人は生きられもする。
占星術では白紙ーつまり未来がないという人間でも、目標を、なにかの理想を抱ければ、運命を変えられる、
そうして自分の"死"すら遠ざけ、運命を変えていったのが春児。
彼はいまや西太后の側近として、親しかったものたちと相対する立場に立つ。
日清戦争が終わり、いまや清国は内部崩壊をとめることも出来ない状態である。
台頭してきた袁世凱や西太后の周囲に纏ろう宦官たち。
光緒帝をとりまく大官たち。
改革は成功するのか。
時代はどう動くのか。
清国の官僚の会話には、明治維新で返信を遂げた日本の脅威に触れ、おりあらば土地をきりとろうと狙いを定める欧州列強がいる。
20世紀の幕開けを前に、時代は喧しい。
……にしても。
西太后が珍しくも正義の役で、これが凄い。
彼女は口にする"日ごとに不味くなる"宮中料理が、行きながら腐蝕してゆく大清帝国の姿、なんだろうな。
読み出すと、ほんと、とまらん本である。
ISBN:4062748932 文庫 浅田 次郎 講談社 2004/10/15 ¥620
自分の人生を、自分の力で切り開いてゆく。
だから人は生きられもする。
占星術では白紙ーつまり未来がないという人間でも、目標を、なにかの理想を抱ければ、運命を変えられる、
そうして自分の"死"すら遠ざけ、運命を変えていったのが春児。
彼はいまや西太后の側近として、親しかったものたちと相対する立場に立つ。
日清戦争が終わり、いまや清国は内部崩壊をとめることも出来ない状態である。
台頭してきた袁世凱や西太后の周囲に纏ろう宦官たち。
光緒帝をとりまく大官たち。
改革は成功するのか。
時代はどう動くのか。
清国の官僚の会話には、明治維新で返信を遂げた日本の脅威に触れ、おりあらば土地をきりとろうと狙いを定める欧州列強がいる。
20世紀の幕開けを前に、時代は喧しい。
……にしても。
西太后が珍しくも正義の役で、これが凄い。
彼女は口にする"日ごとに不味くなる"宮中料理が、行きながら腐蝕してゆく大清帝国の姿、なんだろうな。
読み出すと、ほんと、とまらん本である。
ISBN:4062748932 文庫 浅田 次郎 講談社 2004/10/15 ¥620
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