○○で読むイギリス小説の第3巻目である。

つまり最終巻、ということだ。

勿論W・モリスも出てくる。
口絵の<レッド・ハウス>の写真を見る限り、現代人の感性…というか私の感性に近いのは、シンプル イズ ベスト のこっちにだ。

ひとつひとつはいいものなんだけれど、全部まざると調和もなく、ただただ煩く乱雑に思えるというビクトリア風の調度品は…乱雑、というよりも、掃除が大変だろうと言う思いで敬遠したい気分になる。

カントリーハウスについて、杉恵 惇宏氏の一文を引用する。
現存するカントリー・ハウスをその地域のシンボルとして残していくナショナル・トラストは、数知れぬ館の息の根を止めてきた重い課税を支持しながらも、カントリー・ハウスへの思いは深い。
イングランドの田園地帯には表面的に繕った館、死にかけた姿勢のまま保存されている館など、貴族の「屍」が累々と横たわっている。そこへ好奇心旺盛な大群衆が日々訪れている。大聖堂が宗教上の聖地であるのに対して、カントリー・ハウスはイギリス建築士そのものであるにとどまらず、世俗上の「聖地」ともいえる場所であり、イギリス文化の核をなす建物であることを心に留めておく必要がある。


……京都の観光地と同じであるな。

ISBN:4623037525 単行本 中川 僚子 ミネルヴァ書房 2003/06 ¥3,360
 

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